ハウスクリーニング歴30年。
数多くの現場をこなすベテランでも、思わぬミスで「再出動」になることがあります。
その最大の原因は、「新品」や「リフォーム済み」の現場に対するプロの油断でした。
⚠️ 問題提起と共感
フローリングやクローゼット、お風呂が一式新しく入れ替わっている現場は、「手間が省けてラッキー!」と思いがちです。
しかし、これが盲点となり、遠目には完璧に見える箇所に、設置業者や改装業者が残した「見落としやすい汚れ」が潜んでいるのです。
この記事では、実際に私が「新品だから大丈夫」という油断から見落としてしまい、後日クレームに繋がったリフォーム現場特有の要注意箇所とその対策を具体的な事例付きで徹底解説します。
プロのあなたが絶対に見落としてはいけない、リフォーム後の清掃で特に注意すべき「新品なのに汚れていた」箇所10選を見ていきましょう。
本題1:新品の設備が盲点!リフォーム直後の現場で特に注意すべき5つの箇所
「新しく入れ替わっているから綺麗」という思い込みが、クレームに繋がる最大の落とし穴です。
特に建具や設備は、設置作業時の微細な汚れが付着しているケースが多発します。
① 「まさかの垂れ跡」新設クローゼットの扉と側面
新しく入れ替わったクローゼットや収納扉は要注意です。

クローゼットの縁になんか垂れ跡が…改装業者が微妙に何かこぼしたのでしょうね。濡れたタオルでさっと拭いたら簡単に取れました。
こういう部分も…

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発見された汚れ:遠目には全く気づきませんが、扉の縁や角に、ペンキや接着剤、または業者がこぼした液体が乾いた微細な垂れ跡が残っていました。
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原因と対策:改装業者が微妙に何かをこぼした跡です。乾拭きで「さっと拭いたつもり」になっていましたが、実際には取り切れていませんでした。
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チェックポイント:扉の正面だけでなく、扉を開けた時のサイド(側面)も必ずチェックしてください。ここにも同様の垂れ跡が残りがちです。
② 新品なのにホコリまみれ?風呂場・換気扇の木屑汚染
浴室が一式新品に交換されている場合、清掃の手間は大幅に省けますが、油断は禁物です。
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発見された汚れ:新品のはずの浴室換気扇の部品に、細かい木屑や粉塵が結構な量舞い込んで付着していました。

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原因と対策:他の場所(特に解体や設置作業)で舞い上がった粉塵や木屑が、換気扇の隙間から内部に入り込んでいるケースです。「新品=未清掃」という意識を持ち、さっと拭き掃除をするだけで簡単に綺麗になります。
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チェックポイント:換気扇のルーバー(カバー)の裏側や、手が届きにくい天井側を重点的に確認しましょう。
③ 張り替えたばかりのクロスに残る「回転拭き」で落ちる薄い跡
通常のハウスクリーニングの範疇外と思いがちなクロスクリーニングですが、改装後の現場では例外です。
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発見された汚れ:新しく張り替えられたクロス(壁紙)の所々にうっすらとした手垢や資材の跡が残っていました。
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原因と対策:クロス職人や他業者が作業中に触った跡である可能性が高いです。乾いたタオルで回転させるように拭くことで、ほぼ綺麗に除去できました。
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教訓:クロスが新しくても、部屋全体を見渡して不自然な汚れがないか確認が必要です。気づきさえすれば簡単なサービス作業でクレームを防げます。
④ 高さを問わず要注意!カーテンレール軸の巻きつきホコリ
普段あまり意識しないカーテンレールの上部にも、落とし穴がありました。
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発見された汚れ:カーテンレールの軸の部分に埃が巻き付いている状態で残っていました。
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原因と対策:手が入りにくい上部であるため、清掃が不十分になりがちです。この部屋ではレールの位置が低く、通常の目線の高さから埃が見えてしまう状態でした。軸を回転させながら丁寧に巻きつきを除去する必要があります。
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チェックポイント:天井に近い高いレールだけでなく、低い位置にあるレールこそ、通常の目線から汚れが見えるため、入念に確認しましょう。
⑤ 隅々まで残る!フローリングや建具の隙間の粉塵
フローリングが新しくても、必ず木屑が残っています。
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発見された汚れ:新設されたフローリングの溝や、建具と床の隙間に、細かい木屑や石膏ボードの粉塵が入り込んでいました。
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原因と対策:清掃前に濡らしてしまうと、これらの粉塵が固着して取れにくくなります。「濡らす前にさっと掃除機で吸うかタオルで拭く」という基本の作業を、より丁寧な近接目視で行う必要があります。特に溝は念入りに確認しましょう。
本題2:再発防止策:新品現場でクレームゼロにするためのチェック体制
今回のミスから学んだ最も重要な教訓は一つです。
📌 【教訓】新品=清掃不要という油断を捨てる
問題の根本原因は、「新品に変わった〜手間が省けた〜」という油断です。
汚れにきっちり気づいていれば、綺麗にするのはごく簡単な作業でした。
新品の設備は「新品に変わったからこそ、設置業者の痕跡(汚れ)がないかチェックする」という意識を持つことが重要です。
最終チェックリスト:引渡し前の確認方法
クレームを確実に防ぐために、以下のチェック方法を作業に組み込んでください。
🔑 ハウスクリーニングを30年続ける秘訣は「新品への油断を捨てること」【結論】
「長年の経験があるから大丈夫」「新品だから確認しなくても綺麗」。
この思い込みこそが、私たちプロフェッショナルが陥る最大の罠でした。
今回の失敗で、私は「ラクをしたい」という一瞬の油断が、結局は再出動という最も大きな手間を生むという痛い教訓を学びました。お客様からのご指摘で現場に舞い戻った時、「なぜ、あの時気づかなかったのか」という悔しさが、今も忘れられません。
清掃業は、汚れたものを綺麗にするのが仕事です。しかし、新品の現場での私たちの真の仕事は、「汚れていないはずの箇所」に潜む微細な「施工の痕跡」を見つけ出すことだと痛感しました。
汚れに気づいてさえいれば、その除去はごく簡単な作業で済みます。
ハウスクリーニングを30年という長きにわたり継続できたのは、きっと、今回のようないつもと違う現場での失敗から、常に「汚れを見抜く目」を磨き続けてきたからでしょう。
新品への油断を捨て、全てを疑ってチェックする。
このプロとしての基本姿勢を貫くことこそが、私たちが自信を持って仕事を提供し続け、お客様の信頼を裏切らない唯一の秘訣です。
あなたも、次に入られる現場では、この教訓を胸に、一歩踏み込んだ最終チェックをお願いします。
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