「問題を解決する」と聞くと、”solve”という単語を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
あるいはfix、もしくはresolve?
もちろん間違いではありませんが、実はネイティブはもっと日常的なシチュエーションで別のフレーズをよく使います。
それが、「sort out」です。
今回は、この「sort out」が持つユニークなニュアンスと、日常会話でどう使いこなすかをご紹介します。
と書きましたが、私は毎日英語を学んでおり、同じような学習者向けに少しでも役立てていただければという思いで、気づきをとにかく投稿しています。
さっきはこんなことを書きました。
「まだ?」と聞くのは失礼?英会話で使えるスマートな催促フレーズ
では、本題。
「sort out」の語源
語源が興味深い。絵画的なイメージで捉えるとわかりやすいです。
「sort out」は、「sort」と「out」という2つの単語から成り立っていて、それぞれの単語の語源を見ていくと、このフレーズが持つ「整理して解決する」というニュアンスがより深く理解できます。
◆sortの語源
**sort**は、古フランス語の「sorte」から来ており、これは「種類」「カテゴリー」「分類」を意味していました。
さらに遡ると、ラテン語の「sors(運命、くじ)」にたどり着きます。
元々は「くじを引いて運命を分類する」といった意味合いでしたが、次第に「物を種類ごとに分ける」という現代の「分類する」「選別する」という意味に変化していきました。
◆outの語源
**out**は、単純に「外へ」「完全に」という方向性や完了を表す副詞です。
これは説明不用ですね。
◆sort outが組み合わさって生まれた意味
この2つの単語が組み合わさることで、sort outは「分類して外へ出す」→「ごちゃごちゃしたものを種類ごとに分けて、不要なものを外へ出す」というイメージを持つようになりました。
このイメージが転じて、ごちゃごちゃした状況や複雑な問題を「整理して」「きれいに片づける」という意味合いを持つようになったのです。
この語源を知ると、単に「解決する」という意味だけでなく、「一つひとつの問題を分類し、整理しながら解決していく」というsort outならではのニュアンスが感じられるのではないでしょうか。
では、会話で実際にどのように使うか…
1. 散らかった「物」や「情報」を整理する
一番わかりやすいのが、物理的なものを整理する時。
引き出しの中や、机の上の書類など、ごちゃごちゃしたものを分類してきれいに片づけるイメージです。
- “I need to sort out my books.” (本を整理しなきゃ。)
- “We should sort out the files on the computer.” (コンピューターのファイルを整理したほうがいいね。)
整理という解決ですね。語源通りの使い方…
2. 複雑な「問題」や「状況」を解決する
これが”solve”と少し違うところです。
この記事の核心部分。
「sort out」は、論理的な問題というよりも、人間関係のトラブル、スケジュールの調整、手違いなど、少し手間がかかる「ごたごたした状況」を一つひとつ片付けて解決する、というニュアンスがあります。
- 手違いやミスを解決した時
- “The payment issue has been sorted out.” (支払いに関する問題は解決しました。)
- スケジュールを調整する時
- “We need to sort out the details for the meeting.” (ミーティングの詳細を決めなきゃ。)
- 人間関係のトラブルを解決する時
- “I need to talk to him to sort out our misunderstanding.” (彼と話して、誤解を解かなきゃ。)
では、solveとどう違うのか?
solveはどのような時に使う…
solveは、主に「数学的な問題」や「科学的な謎」、「パズル」など、論理的な思考や分析によって答えが見つかるような問題を「解決する」際に使われます。
数学・科学的な問題を解く:
“Can you solve this equation?” (この方程式を解くことはできますか?)
“Scientists are trying to solve the mystery of the universe.” (科学者たちは宇宙の謎を解こうとしている。)
パズルや謎を解き明かす:
“He managed to solve the difficult puzzle.” (彼はその難しいパズルを解くことができた。)
“The detective was finally able to solve the case.” (その探偵はついに事件を解決することができた。)
一般的な問題を解決する:
“We need to find a way to solve the traffic problem in the city.” (私たちは市内の交通問題を解決する方法を見つける必要がある。)
solveは、単に問題を片付けるだけでなく、明確な答えや解決策を「見つけ出す」というニュアンスが強いです。
fixやresolveとどう違うのか
fixは、物理的に壊れたものや、明らかにおかしい状態を元に戻すニュアンスで使われます。修理や修正、固定といった意味合いが強いです。
- 物を修理する:
- “I need to fix my car’s engine.” (車のエンジンを修理しないと。)
- “Can you fix the broken chair?” (その壊れた椅子を直せますか?)
- 問題を修正する:
- “We have to fix this bug in the software.” (このソフトウェアのバグを修正しなければならない。)
- “There’s a typo in the report. I’ll fix it right away.” (報告書に誤字があります。すぐに修正します。)
- 解決策を出す(口語的):
- “We have a problem. How are we going to fix this?” (問題が起きた。どうやってこれを解決する?)
resolveは、よりフォーマルな場面で、意見の相違や複雑な問題、紛争などを解決・解消するニュアンスで使われます。論理的な決着をつける、という意味合いが強いです。
- 意見の相違や紛争を解決する:
- “They met to resolve their dispute.” (彼らは紛争を解決するために会った。)
- “We need to resolve this issue before it escalates.” (この問題が大きくなる前に解決する必要がある。)
- 決意する:
- “She resolved to study harder for the next exam.” (彼女は次の試験に向けてもっと一生懸命勉強することを決意した。)
- (物事が)解決する:
- “The situation was resolved peacefully.” (状況は平和的に解決された。)
fixが「直す、修正する」という具体的な行動を指すことが多いのに対し、resolveは「決着をつける、解決に至る」という、より大きな結果やプロセスを指すという違いがあります。
つまり、人間関係のトラブル、スケジュールの調整、手違いなど、少し手間がかかる「ごたごたした状況」を一つひとつ片付けて解決するsort outとはこのように違いますね。
言語化するとこういうことですが、イメージ沸きましたか?
例文の感覚で馴染むのが一番ですね。
では全体をまとめます。
このように、「sort out」はもっと日常生活に根ざした、身近なトラブルやタスクを解決する時に使われることが多いです。
まとめ:今日から「sort out」を使ってみよう
このように、「sort out」はもっと日常生活に根ざした、身近なトラブルやタスクを解決する時に使われることが多いです。
つまり、英会話に最もよく出てくるということ。
なので、「解決する」の引き出しに「sort out」を加えてみませんか?
- ごちゃごちゃした書類を整理するとき
- 友達との予定を決めるとき
- 仕事でのちょっとした手違いを直したとき
そんな時に「sort out」を口にすれば、英語がもっとネイティブらしく響くはずです。
ということで学習レポートは以上です。

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