英語を勉強していると、「to some extent」と「to some degree」のように、似たような意味で使われる単語に出くわすことがあります。
これらは「〇〇の限りでは」「〇〇の程度で」など、英語で物事の度合いや範囲を表現したい時に使いますが、本当に全く同じなのでしょうか?
結論から言うと、この2つには明確な違いがあります。
一方は「広がり」を、もう一方は「レベル」をイメージしているのです。
この記事では、それぞれの語源から紐解き、「extent」と「degree」を使い分けるポイントを徹底解説します。
という気づきを自分のノート代わりにブログ記事に投稿しています。さっきはこんなことを書きました。
英語で「続ける」がいつもcontinue になってない? 3つの使い分けで表現力UP!
では本題。
「degree」と「extent」の基本的にはどちらも「程度」や「度合い」を意味します。
そして、多くの場合互換的に使えます。特に「to some extent」と「to some degree」はほぼ同じ意味です。
しかし、厳密なニュアンスの違いが…
1. 語源的な違いと意味の広がり
- extent: 動詞 “extend” (広がる、伸びる)から来ています。そのため、空間的な広がり、範囲、面積、規模といったニュアンスが強いです。何かがどれだけ広範囲に及んでいるか、という「広がり」に焦点を当てます。
- degree: ラテン語 “gradus” (階段、ステップ)から来ています。そのため、段階、レベル、強さといったニュアンスが強いです。何かがどれだけのレベルに達しているか、という「度合い」や「強さ」に焦点を当てます。
2. 具体的な使い分けの例
この違いは、以下のような例で明確になります。
- extent (範囲)
- The extent of the damage (被害の範囲): 被害がどこまで広がったか、どれくらいの面積に及んだか、という広がりを指します。
- The extent of the forest (森の広さ): 森がどれくらいの面積を占めているかを示します。
- To what extent is she responsible? (彼女の責任はどこまでか?): 責任が及ぶ範囲や境界線を尋ねるニュアンスです。
- degree (度合い、レベル)
- The degree of the damage (被害の程度): 被害の深刻さ、どれくらいひどいか、という度合いを指します。
- A high degree of accuracy (高い精密度): 正確さのレベルや水準を指します。
- The degree of heat (熱の度合い): 熱さの強さやレベル(温度)を指します。
3. まとめと使い分けのポイント
| extent | degree | |
| 主なニュアンス | 範囲、広がり、規模 | レベル、段階、度合い、強さ |
| 動詞のイメージ | extend (広がる、伸びる) | graduate (段階的に進む) |
| 具体的な例 | 被害の範囲、森の広さ、責任の及ぶ範囲 | 被害の深刻さ、正確さのレベル、熱の強さ |
日常会話や一般的な文脈では、この二つの違いはほとんど意識されず、互換的に使われることが多いです。
しかし、科学的・技術的な文脈や、より正確な表現を求められる文章では、上記のようなニュアンスの違いを考慮して使い分けることで、より的確に意図を伝えることができます。
例えば、「to what extent is the solution effective?」という文では、「その解決策がどこまで広範囲に効果があるか」というニュアンスになりますが、「to what degree is the solution effective?」という文では、「その解決策の効果がどれくらい(強いか、弱いか)」というニュアンスになります。どちらも意味は通じますが、焦点が微妙に異なります。
このような違いを説明できるだけでも、英語スキルがワンランクアップしますね。
今日の学習レポートは以上です。

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