新聞販売店で集金業務を担当している皆さん、毎月「あの人」に会うのが少し憂鬱になる瞬間、ありませんか?
私はあります。
それは、集金に来るたびに「またチケットあったらちょうだいね」「今月は何か景品ないの?」と笑顔で”おねだり”してくるお客様の対応です。
相手は決して悪い人ではない。むしろ、購読料もきちんと払ってくださる優良顧客です。
しかし、毎月、毎月、口癖のように繰り返されるその一言が、集金人の精神を地味に削っていくのです。
本日は、この「悪気はないがストレスフルな要求」に集金人がどう対処すべきか、そしてその要求を穏便に「受け流す」ための具体的な方法を、私たち自身のストレス軽減に焦点を当ててご紹介します。
新聞の集金に携わって32年になりました… 自分で言うのもなんですが続いている方だと思います。
第1章:正直、毎月聞かれると本当にツラい。「チケット要求」の何がストレスなのか
新聞集金の仕事って、顔なじみのお客様と世間話ができる良い側面もあります。購読料をいただいて「いつもありがとうね」なんて言われると、こちらも「はい、こちらこそ!」って気持ちよくなりますよね。
でも、あの「チケット要求」が始まると、一気に空気が変わるんです。
「この前もらったチケット、良かったわ〜。奈良のあの施設ね!また次も何かあるでしょう?」
悪気がないのはわかってるんです。笑顔だし、お金を出し渋るわけでもない。でも、この一言が私にとって、月一回の地味なストレスなんですよね。
究極の板挟み!集金人って「伝言係」なんです
お客様は私たち集金人を「お店の代表」みたいに見て、チケットや景品の決定権があると思いがちです。でも、現実には全然違いますよね。私たちの仕事は超シンプル。
- お金を集める(集金)
- お客様の声を店に伝える(伝言)
これだけです。
にもかかわらず、毎月「チケット、チケット」と言われると、まるで「また私の伝言がお店に届いてないのかな」「私がちゃんと動いてないのかな」って無意識に自分を責めてしまう。そして、「ごめんなさい、私には決められないんです」とはっきり言えないまま、モヤモヤを抱えて帰ってくる。
この「何もしてあげられないのに、目の前で期待され続ける」状況こそが、集金人にとって本当にしんどいところなんですよね。
割り切ろう!あなたの責任は「店に報告」した時点で終了
でも、ここでしっかり声を大にして言います。
あなたの集金業務は、「店に報告します」と言った時点で、もう終わりなんです。
チケットを出すかどうか、何ヶ月に一度ならOKか、どうやってお断りするか。それはすべて、私たち集金人ではなく、お店の経営判断に関わることです。
だから、「店長にまた伝えておきますね!」とキッパリ伝えたら、その後の対応はお店に任せちゃって大丈夫。これ以上、あなたがその責任を背負い込む必要は全くありません。だって、私たちはただの「伝言係」なんですから。
まずは、この「割り切り」こそが、ストレスから自分を守る最初で最大の防具になるはずですよ。
第2章:なんでチケットはダメなの? 店の「無理!」は法律で決まってる話
「店に報告します!」って言っても、お客様は「で、結局いつチケットくれるの?」って思ってるわけですよね。
何度も「店が対応するんで」で押し通すのも限界があります。
だからこそ、集金人として知っておいてほしいのが、「店が景品を出し続けるのは、そもそも無理な理由」です。
チケット要求を断る最強の「盾」は法律!
私たち新聞販売店は、「好きなものを好きなだけ景品としてあげていい」わけじゃないんです。
実は、国が定めた法律(景品表示法)と、業界のルール(公正競争規約)で、景品の金額にめちゃくちゃ厳しい制限がかかっているんです。
簡単に言うと、「景品で釣って新聞を売るのはやめなさい!」っていうルールです。
| 景品提供のルールのイメージ | 要するに? |
| 毎月や継続的な景品 | 購読料の**「超少ないパーセンテージ」**しかダメ! |
| 高額すぎる景品 | 法令で決められた金額を絶対に超えちゃダメ! |
| チケットや商品券 | 基本的には、高額な景品としてカウントされる! |
奈良の施設のチケットを一度渡したことで、お店はすでにご愛顧への最大限のサービスをしてしまっている可能性が高いんです。毎月、継続的にチケットを渡すなんて、ルール違反で店がペナルティを受けるリスクがある行為なんですよね。
「ルールだから無理」を味方につける
つまり、「毎月チケットをください」というお客様の要望は、「うちの店が法律違反をしてください」と言われているのと同じことなんです。
これを心のどこかに持っておくと、お客様に何度要求されても、あなたが罪悪感を覚える必要はなくなります。
「私も個人的には喜んでほしいけど、店としてルールを破ることはできないんだな」と、どっしり構えることができます。
集金人であるあなたがお客様に直接「景品表示法で…」なんて難しく説明する必要はありません。でも、「店には、チケットを出し続けられない、揺るぎない理由がある」と知っているだけで、ストレスは格段に減るはずですよ。
この知識こそが、毎月の「チケット要求」を穏やかに受け流すための最強のメンタル防具になるはずです!
第3章:ストレスよ、さようなら!「チケット要求」を穏便に受け流す必殺技
集金に行くたびに「チケット、チケット」と言われるのは本当に疲れますよね。
でも、もう大丈夫。
あなたの仕事は「集金」と「伝言」だけ。それ以上の責任は負わなくていいんです。
ここでは、お客様の期待を壊さずに、あなたの心を守るための「受け流し術」と、具体的なフレーズをご紹介します。
必殺技①:主語を「私」から「店」に切り替える
ストレスを感じるのは、「私が」お客様をガッカリさせている気がするからです。でも、実際は違います。断っているのは「店」です。主語をサッと切り替えて、自分と要求の間にクッションを置きましょう。
| 状況 | NGな心の声(ストレス増) | OKな心の声(ストレス減) |
| 要求された瞬間 | 「あー、また言われた。どうしよう、断りにくいな。」 | 「はい、店への伝言ですね。私の仕事は伝言まで!」 |
そして、実際に声に出すフレーズもシンプルに!
🗡️ 必須フレーズ:ボールを店に返す
- 「〇〇様、チケットの件、前回も店にしっかり報告しております。店からの正式な回答をお待ちいただけますでしょうか?」
- (→「あなたは伝えた」という事実を強調し、店の対応待ちだと宣言)
- 「申し訳ありません。店の方針で、私からは景品については一切お答えできないことになっていますので、店長にお尋ねいただけますか?」
- (→「私の権限外」と、あなた個人では動かせないルールを盾にする)
必殺技②:「共感」はするが、「約束」はしない
お客様は、あなたの「共感」が欲しいだけかもしれません。「私の話を聞いてくれた」という満足感を与えるだけで、要求がヒートアップするのを防げる場合があります。
ただし、絶対に「期待させる言葉」は使わないのが鉄則です。
😊 共感フレーズ:期待を生まない優しいクッション
- 「そうですよね、またチケットがあれば嬉しいですよね。(共感)」
- 続けて: 「店にまた念のため、お伝えしておきますね。」
- (「伝える」だけで、「用意する」とは言わないのがポイント)
- 「奈良のチケット、本当に良かったと店長にも**伝わっていますよ。(感謝)ただ、店で一度きりのサービスと決まっておりますので、ご了承ください。」
- (感謝を述べつつ、「一度きり」というお店の結論をサクッと伝えてしまう)
最終奥義:物理的な「短時間集中」でストレスを遮断
要求がしつこくて本当にしんどいときは、集金時間を短くする工夫をしましょう。お客様が話し出す隙を与えない「挨拶・集金・報告・お礼」の高速コンボです。
- 爽やかに挨拶&集金(会話の余地を与えない)
- 「〇〇様、今月もありがとうございます!__円頂戴します。」
- 要求が来たら、即座に「報告済み」を伝える
- 「(チケットね)はい、店に伝えております。店からの連絡をお待ちください。」
- すぐに別れの挨拶(退散!)
- 「失礼します!また来月参ります!」
集金は、あくまで「業務」です。感情的にならず、機械的に「店に報告」を繰り返す。このドライな割り切りこそが、あなた自身の心と、お客様との健全な関係を守る一番の方法です。
「悪い客ではない」からこそ、毅然とルールに沿った対応を続ける。これがプロの集金人の最強の受け流し術ですよ!
結論:あなたのストレスは「業務外」!割り切って前に進もう
いかがでしたか?
「チケット要求」のような、悪気のないお客様からのストレスは、集金人にとって避けて通れない試練かもしれません。
でも、このモヤモヤは、あなたが職務を怠っているからではありません。あなたの仕事は、あくまで「集金と伝達」までです。景品の要求は、店が法律とルールに基づいて対応すべきことであり、あなたの責任範囲を完全に超えています。
今日学んだ「主語を私から店に切り替える」必殺技と、「店に報告済み」という最強の盾を使って、次の集金からは淡々と、そして堂々と業務を遂行してください。
あなたのストレスは「業務外」!どうか自分を責めず、割り切りという防具を身につけて、毎月の集金業務を乗り越えていきましょう。あなたの努力が、誰かの笑顔につながっています。きっとどこかで報われるでしょう。
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