Waxを塗らないという選択
改装後フローリングで、現場が一番苦しくなる瞬間
改装後、張り替えたばかりのフローリング。
見た目はきれい。乾拭きも問題ない。照明を落とせば完璧に見える。
それでも、私は今回 「Waxは塗らない」 提案をしました。
理由は単純です。
塗った瞬間に、現場が壊れるから。
ボンド跡は「汚れ」じゃない
張り替え直後の床には、必ずと言っていいほど
- ボンドのはみ出し
- 乾いて透明になった接着剤跡
- 拭いても触っても分かりにくい施工痕
が残ります。
問題はここ。
それらは 完全には取れません。
無理に落とそうとすれば、
- 表面を荒らす
- 木目を壊す
- 色ムラを作る
結果、もっと取り返しがつかなくなる。
だから現場では「これ以上は触らない」という判断をします。
これは手抜きではなく、素材を守るための限界判断です。
Waxは“答え合わせ”を始めてしまう
乾いた状態では見えない。
角度を変えなければ分からない。
でもWaxを塗った瞬間、
- 光沢が均一になる
- 反射が強調される
- わずかな異物が浮き上がる
つまり、
今まで隠れていた施工跡の答え合わせが始まる。
「ムラがある」
「跡が見える」
そう言われる原因の多くは、
Waxそのものではなく、Waxが真実を照らしただけです。
木製ドアにWaxを塗ったらどうなるか
この話をするとき、私はこう考えます。
木製のドアにWaxを塗ったら、どうなるか。
- 木目ムラが浮く
- ボンド・パテ跡が黒ずむ
- 光の角度で「汚れ」に見える
だから普通、木製ドアには安易にWaxを塗らない。
フローリングも同じ木材です。
床だから許されてきただけ。
それでも担当者は塗りたがる
担当者が悪いわけではありません。
- いつも通りやっておきたい
- 「やっていない」と思われたくない
- クレーム時の逃げ道を残したい
責任の話です。
でも現場の人間は知っています。
塗ったことで起きるトラブルの方が多いことを。
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塗らないのは、逃げではない
今回、私はこう説明しました。
張り替え直後のフローリングは、
Waxを塗ると施工跡が強調される可能性があります。
仕上がりを一番きれいに保つため、今回は塗らない判断をしています。
これは作業を減らした話ではありません。
仕上がりに責任を持つ選択です。
CFには塗る。全部は否定しない
誤解してほしくないのはここ。
CF(クッションフロア)は、これまで通りWaxを塗ります。
- 表面が均一
- Waxのメリットが出やすい
- 施工跡が浮きにくい
素材ごとに最適解が違う。
全部塗る/全部塗らないの話ではありません。
同業者の方へ
「塗らない」という判断は、
実は一番勇気が要ります。
でも現場を知っている人ほど、
塗らない選択が正解になる場面を知っているはずです。
Waxは魔法ではありません。
真実を照らすライトです。
照らしていい現場と、
照らさない方がいい現場がある。
この感覚を共有できる人が、
一人でも増えたらと思って書きました。
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