【プロが検証】カーペットのシミ抜きは「アルカリ電解水」vs「専用洗剤」!本当に落ちるのはどっち?

「カーペットのシミ抜きって、専用洗剤を買わないとダメ?」

普段のお掃除で大活躍するアルカリ電解水

「これがあれば、カーペットの食べこぼしやコーヒーのシミも落とせるのでは?」と考える方は多いでしょう。

私は大阪の施設で25年以上カーペット洗浄を専門に行ってきた清掃のプロです。

本記事では、この疑問に決着をつけるべく、実際に現場で使うカーペット用洗剤アルカリ電解水を用意し、洗浄力を徹底的に比較しました。

【先に結論】

カーペットの食べこぼしや油汚れのシミ抜きは、残念ながら専用洗剤に軍配が上がります。

本記事では、以下の内容を写真付きで詳細に解説します。

  • アルカリ電解水が「落ちなかった理由」
  • 現場のプロが選んだ「本当によく落ちるカーペット洗剤」
  • (余談)口紅のシミなど、汚れの種類ごとの正しい対処法

「もう失敗したくない」「どの洗剤を買うべきか知りたい」という方は、ぜひこのまま読み進めてください。


 

🔬 洗浄力比較:アルカリ電解水 vs. 専用洗剤

 

このセクションでは、実際に現場で使うカーペット用洗剤とアルカリ電解水の洗浄力を比較した、具体的な実験結果を解説します。

 

1. 実験条件と準備

 

  • 汚れの種類: 比較的最近付着した食べこぼしの汚れ(シミ)
  • 洗剤:
    • 左側: アルカリ電解水
    • 右側: 今回のテストで使用するカーペット用洗剤
  • 希釈率: それぞれの能書きどおりに希釈しました。
  • 手順: 汚れの程度が同等な箇所に両液を噴射し、カーペットに馴染ませて10分間放置しました。

💡 プロの気づき: この時点で、専用洗剤側は泡が出ているのに対し、アルカリ電解水側はほとんど泡立たないことが分かります。これは、汚れを分解し浮かすメカニズムが異なるためです。


 

2. 決着!汚れの吸い取り比較

 

10分後、乾いた白いタオルを使って、同時に汚れを吸い取らせて比較しました。この「タオルの色の濃さ」が、どれだけ汚れをカーペットから引き剥がしたかの明確な証拠となります。

洗剤の種類 タオルに吸い取られた汚れの状態 評価
カーペット用洗剤 色が濃い(汚れを大量に吸収している) ◎ 圧勝
アルカリ電解水 色が薄い(汚れの吸い取りが少ない) △ 健闘

**【写真で一目瞭然】**写真の色の濃さの違いで、カーペット用洗剤の方が圧倒的に多くの汚れを吸収していることが確認できました。実際に肉眼で見ると、この写真以上に大きな差が出ています。


 

3. 比較実験の総評

 

カーペットのシミ抜きという目的においては、汎用性の高いアルカリ電解水よりも、汚れの種類(油分・水溶性・タンパク質など)に合わせて成分が配合されている専用のカーペット用洗剤が優れているという結論に至りました。

アルカリ電解水は、軽い手垢や酸性の汚れには有効ですが、カーペットに染み込んだ複雑な食べこぼしの汚れには、専用洗剤の洗浄力には及びません。


 

✨ アルカリ電解水とは?(プロによる解説)

 

比較実験の結果、カーペットのシミ抜きでは専用洗剤に劣ったアルカリ電解水ですが、もちろん非常に有効な汚れ落としの手段です。

ここでは、その正体と、カーペット以外で効果を発揮する仕組みを解説します。

 

1. アルカリ電解水の「正体」をシンプルに解説

 

一言で言えば、アルカリ電解水とは、水(H₂O)を電気分解して作った「水100%」の強アルカリ性の洗浄液です。

  • 液性: pH12〜13の強アルカリ性です。これは洗剤としても非常に高い洗浄力を持っていることを示します。
  • 成分: 食塩水などを電気分解し、陰極側から生成されます(水酸化ナトリウムを約0.2%含んだ水溶液が一般的)。

 

2. なぜ水なのに汚れが落ちるのか?

 

アルカリ電解水は、主に酸性の汚れを分解し、洗い流す力に優れています。

アルカリ電解水のメカニズム 有効な汚れの例
乳化作用 手垢やキッチン周りの油汚れなど
鹸化作用 皮脂汚れや、タンパク質系の汚れの一部
除菌・消臭作用 汚れを分解する過程で、菌やニオイの原因に作用

 

3. カーペットのシミに「効きが悪かった理由」

 

カーペットの食べこぼしシミは、油汚れだけでなく、水溶性の糖分やタンパク質など、様々な成分が複雑に混ざり合った複合汚れであることがほとんどです。

アルカリ電解水は「酸性の油汚れ」には強いですが、この複雑な汚れ全てに完璧に対応するには限界があります。

一方、専用洗剤は、界面活性剤など複数の成分を組み合わせることで、多様な汚れに対応できるよう設計されているため、今回のような結果になりました。


 

🧼 今回のテストで使用したカーペット用洗剤

 

今回の比較実験で「アルカリ電解水」に勝利した、実際に私が現場のシミ抜き作業で使用しているカーペット用洗剤を紹介します。

スペースショートという洗剤。

私がこの洗剤を選んだ理由

 

現場ではとにかく洗浄力が求められますが、この洗剤は以下の点を考慮して選びました。

  • 確かな洗浄力: 複雑なカーペットのシミ汚れ(油性・水性)にバランス良く対応できる。
  • 人体への優しさ: 多数の人が利用する施設で使うため、洗浄力が高い中でも、できるだけ人体に安全性の高い成分を選んでいる。

実際にこの洗剤を使ってみて、私が長年の経験から信頼できると判断した製品です。カーペットのシミに悩んでいる方は、ぜひ試してみてください。

**【補足】**カーペット用洗剤を使う際は、目立たない場所で試してから使用し、必ず最後に水拭き(または濯ぎ)をして、洗剤成分が残らないようにしてください。


 

💄 【余談】口紅の汚れは消毒液がベストだった

 

これは長年の現場経験から得た、カーペットのシミ抜きにおける裏技です。

口紅のシミマニキュアなど、特に油分や色素が強い汚れに対しては、実はカーペット用洗剤よりも**アルコール消毒液(エタノール)**の方が格段によく落ちます。

 

口紅汚れにアルコールが効く理由

 

口紅の主成分は、油分とロウ、そして顔料(色材)です。アルコール(エタノール)は、この油性の汚れを溶かす作用に非常に優れているため、シミを効率的に分解してくれます。

汚れの種類に合わせて洗剤を変えることこそが、プロの清掃技術の基本です。


 

🔚 終わりに:今回の検証結果を活かす

 

今回のアルカリ電解水 vs. 専用洗剤の比較検証の結果は、以下の通りでした。

結論:カーペットのシミ落としは、洗浄力と多用途性の点で「専用カーペット用洗剤」が優位。

万能と思われがちなアルカリ電解水でも、専用に開発された洗剤には及びませんでしたが、これは当然の結果とも言えます。

カーペット用洗剤は、その名の通りカーペットの汚れ落としのために最適な成分配合がされているからです。

とはいえ、アルカリ電解水も、キッチンやフローリングの軽い汚れなど、カーペット以外で有効活用できる場面は多々あります

【プロからのアドバイス】 用途に合った洗剤を選ぶことで、清掃効率は劇的に上がります。「この汚れにはこれ!」という正しい知識を持つことが、あなたの掃除のストレスを減らす一番の近道です。

この情報が、あなたの清掃作業の参考になれば幸いです。

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