「まさか、これが口紅の染みを消すとは…」
清掃の現場で、清掃歴30年のプロである私自身が、最も驚き、そして感動した「染み抜き裏ワザ」をご紹介します。
ホテルのカーペットについた口紅の赤い汚れは、通常の食べこぼしとは異なり、油分と色素が複雑に絡み合った非常に厄介な強敵です。
私は、いつもの万能カーペット洗剤「ゾウさん」や、高価なタンニン系染み抜き剤など、プロの装備を総動員しましたが、赤い口紅の前ではすべて無力。正直、「これはもう取れない」と諦めかけました。
しかし、ダメ元でネット検索した結果、「口紅にはアルコールが効く」という情報を発見。現場に備え付けてあった「アルコール消毒液」を試したところ、信じられないことに、長年の汚れがみるみる薄くなっていったのです。
この記事では、プロの知識と経験を超越した「アルコール消毒液」の驚くべき効果と、実際に私が現場で行った染み抜きの全工程を、使用した機材も含めてすべて公開します。口紅の染みに悩むすべての人へ贈る、プロが証明した最強の裏ワザです!
1. 🟥 口紅の染みはなぜ厄介なのか?プロが最初に直面した壁
薄い色のカーペットに口紅をこぼすと、染みになって汚らしいですね。なかなか取れなくて困ったことはありませんか?
ホテルのカーペット清掃の仕事で、床面積が広いため気になる汚れから優先して取り掛かりましたが、一番気になったのが、この赤い口紅の染みでした。

写真で見るとそれほど目立たないように見えるかもしれませんが、実際には非常に目立ちます。口紅は油分と色素が固まってできており、一般的な水溶性の洗剤では、油分が弾いてしまい色素に届かないため、非常に厄介な汚れなのです。
2. 🧪 試しても無駄だった!プロが使った「強力洗剤」の敗北記録
この赤い口紅の汚れ全体にカーペット用洗剤を染み込ませて数分おき、白いタオルに染み込ませてみたのですが、結果は芳しくありませんでした。他の汚れは落ちたのに、この赤くて汚い口紅の染みだけが洗剤では落ちなかったのです。
悩んでも仕方ないので、再度いくつかの洗剤を試しましたが、どれもダメでした。
- 万能のカーペット用洗剤(蔵王産業「ゾウさん」)→ ダメ 通常、食べこぼしなどの汚れに効く万能のアルカリ電解水系の洗剤を使いましたが、口紅には全然反応してくれませんでした。
- タンニン系の染み抜き剤(外国製・高価)→ ダメ それでダメな時には、コーヒーや紅茶などの色素沈着に強いタンニン系の染み抜き剤を使います。しぶとい食べこぼしのシミにもよく反応する洗剤ですが、残念ながら赤い口紅の汚れには全く反応しませんでした。
これはもう取れないものと諦めかけましたが、冷静になって口紅の汚れ落としには何が効くのか検索してみることにしました。
3. ✨ ネット検索で発見!口紅には「アルコール消毒液」が効く?
ネットで検索したところ、「口紅の汚れには、アルコール消毒液が効く」という情報が書いてありました。
これは意外でした。口紅が油分を含むため、油を溶かすアルコールの有機溶剤としての特性が効くのではないか、と推測しました。清掃歴30年の私も思いつかなかった発想です。
そこで、ホテルに備え付けのアルコール消毒液を拝借し、ダメ元で赤い汚れに染み込ませてみました。すると、なんとなく赤さが薄くなっていくのが確認できたのです!
4. 🧽 プロが実践!アルコール消毒液を使った染み抜き手順(最強裏ワザ)
「もしかして汚れが取れてる?」半信半疑でしたが、白いタオルで押さえてみると、うっすらと赤い汚れがついているのが分かりました。ここからが本格的な染み抜き手順です。
4-1. 準備するものと手順
- アルコール消毒液(手指消毒用のもの)
- 白いタオル(汚れの移り具合を確認するため)
- 水(最後のすすぎ用)
4-2. 塗布と転写のコツ
- 消毒液を汚れにたっぷり染み込ませます。この時、汚れを広げないよう、中心部から外側へと意識します。
- すぐに白いタオルで汚れた箇所を優しく叩くように押さえ、汚れをタオルに転写させます。絶対に擦らないのがポイントです。
- 新しい面にタオルをずらし、再度消毒液を染み込ませて押さえる、という作業を繰り返します。
- だんだん赤さがなくなり、タオルにつく汚れが薄くなってきたらOKです。
4-3. 失敗しないための仕上げとすすぎ
ここまでで色々洗剤(と消毒液)を使っているので、残留物を除去するすすぎ作業が必要です。
- 洗浄した箇所に水をたっぷり染み込ませます。
- きれいなタオルで、できるだけ水を吸い取らせます。
- 蔵王産業のバルチャー(または類似のカーペット洗浄機)でパッドに吸わせながらカーペットの表面を馴染ませます。ご家庭の場合は、水を吸い取る工程を数回繰り返し、洗剤分が残らないようにしてください。
5. ✅ 乾燥後に確信!「ほとんど分からない」状態に復活
すすぎ作業の後、2時間ほど経過して再度カーペットの状態を確認しました。

結果は、完全に消えたとは言えませんが、立った位置からの目線ではほとんど気にならないレベルにまで赤い汚れを除去できました。
口紅の赤い汚れは、プロ用洗剤ではなく、意外なアルコール消毒液で解決したのです。
6. 🏆 30年以上のプロが学んだ教訓:2つの大切なこと
口紅がプロ用洗剤に全然反応せず、意外なアルコール消毒液に反応したことから、長年の経験を持つ私でも下記の2つのことを改めて学べました。
- 簡単にあきらめないことが良い結果につながる 今まで経験したことのない問題に直面したとき、さらに頑張ってみるか、諦めるかで結果が180°変わります。今までやったことないこと(今回は消毒液の使用)を試してみて解決したからです。
- ダメ元でも相談してみる価値(ネット検索) 今回のアルコール消毒液で汚れを洗浄するという発想は、私自身では思いつきませんでした。自分の知識に頼ってダメだったとき、謙虚にGoogle検索という「相談相手」に頼ってみることで、意外な解決策にたどり着くことができました。
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