「苦悩を受け入れる」じゃない! 英語「spare」が持つ、まさかの「逆」の意味

皆さん、こんにちは!

なんのこっちゃ、というタイトルに思えたかもしれません…

今回の記事は英語の意味を真逆に解釈した失敗談です。

ある日、私は次のような英文に出会いました。

「You will thus spare yourself the anguish…」

私は直感的に「spare」を「(時間や労力を)割く・与える」と解釈し、「苦悩を受け入れる」という意味で訳してしまいましたが、答え合わせをしたとき、思わず「え、逆!?」と声が出ました。

実は、この文の「spare」は、私たちがよく知る「(予備の)」「(時間を)割く」といった意味とは正反対のニュアンスで使われていた…

この記事を読めば、仮にあなたが私と同じような誤解を抱えたとしても心配がなくなるでしょう。

それは、多義語 spare が持つ二面性と、特に spare oneself という形になったときの「真の意味」をここで徹底解説するからです。

これで、あなたの英語力は一段階アップすること間違いなし!

というような英語学習の気づきを毎日投稿しています。さっきはこんなことを書きました。蛇足ですがもし関心おありでしたらご覧ください。

「Will have already said no」は「もう断った」じゃない? 日本人がハマる未来完了形の落とし穴

では本題。

誤解を生んだ「問題の英文」を徹底分析

まずは、私が頭を抱えた例文をもう一度見てみましょう。

「You will thus spare yourself the anguish of having to deal with improper feelings after they have taken root.」

多くの人が「spare」を「割く」「与える」という意味で知っているため、主語(You)が自分自身(yourself)に対して「苦悩(the anguish)」を与えている、つまり「苦悩を受け入れる」と解釈してしまいがちです。

しかし、これは完全に誤りです。

この文脈での「spare」は、**「免れさせる」「避けさせる」**という意味で使われているからです。

したがって、この英文の正しい意味はこうなります。

✅ 正しい訳:「あなたは、不適切な感情が根付いた後にそれに対処しなければならないという苦悩を、自分自身から免れさせる(避ける)ことができるでしょう。」

💡 ポイントは、**「yourself(自分自身)」「the anguish(苦悩)」**の間に「免除」の関係が生まれていることです。

「spare」が持つ、正反対の二つの顔

なぜ「spare」は、こんなにも私たちを混乱させるのでしょうか?

それは、この単語が一見正反対に見える二つの意味を持っているからです。

 

顔その1:【負担を与えない】= 避ける・免れさせる

 

この意味が、今回の例文で使われている核心的な意味になります。

根底にあるのは「~を遠ざける」「(不必要な)手間や苦労をかけないようにする」というニュアンスです。

このような用法では、spare A from B 、意味はAをBから免れさせる

The rain spared us from having to water the garden. (雨が降ったおかげで、私たちは庭に水をやる手間を免れた。)

次のような用法では、spare oneself the trouble、意味は、自分自身から面倒を避ける

Spare yourself the hassle and call ahead. (面倒を避けて、事前に電話しなさい。)

 

顔その2:【余裕のあるものを与える】= 割く・提供する

 

こちらは最も馴染み深い用法で、「予備の」「余裕のある」という意味から派生しています。

根底にあるのは**「必要ではないもの、または余剰を、提供する」**というニュアンス。

このような用法では、spare A (for B) 、意味は、A(時間・お金など)を割く

Can you spare me a minute?(私に1分時間を割いてもらえませんか?)

次のような用法では、spare (adj.) 意味は、余分な、予備の

Do you have a spare battery? (予備のバッテリーを持っていますか?)

もう間違えない!文脈から意味を見抜く鉄則

これで「spare」が持つ二つの顔が分かりましたね。

面白いくらい意味が真逆。

では、英文を見た瞬間に、どちらの意味で使われているかをどう判断すればいいのでしょうか?

決定的な鉄則は、「目的語」「主語・目的語の関係」に注目すること。

 

鉄則:目的語が「ネガティブなもの」なら9割方「避ける」!

 

「spare」の後に続く目的語が「anguish(苦悩)」「trouble(面倒)」「pain(苦痛)」「effort(労力)」といったネガティブな名詞である場合、それはほぼ間違いなく【負担を与えない】=「免れさせる・避ける」という意味になります。

なぜなら、人は自分や他者に、わざわざネガティブなものを与える行為(手間を割く、苦悩を割く)を「spare」という単語で表現することは非常に稀だからです。

これで、真逆の勘違いがなくなりますね。

目的語がネガティブ 免れさせる/避ける

目的語がリソース   割く/提供する

 

まとめ

いかがでしたか?

多義語「spare」は、その多面性ゆえに私たちを惑わせますが、「何を」「誰から」遠ざけているのか、あるいは「何を」「誰に」与えているのか、その関係性を見抜けばもう怖くはないでしょう。

一度わかってしまえば、次からは間違えないですね。

この情報を活かして、一緒に英語学習を次のレベルへと進めましょう! 💪✨

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