「大変だったね」を英語で何と言う? 定番のフレーズ “go through” の使い方と例文

「友達が仕事で落ち込んでいる」「大切な人が辛い経験をしている」 そんなとき、あなたなら英語でなんと声をかけますか?

真っ先に “I’m sorry to hear that.”“I understand your experience.” といった言葉が浮かぶかもしれません。もちろん間違いではありませんが、ネイティブスピーカーが相手の痛みに寄り添うとき、最もよく使う「魔法のフレーズ」があります。

それが、“go through” です。

辞書では「調べる」「通過する」と覚えた方も多いはず。しかし、この言葉の真価は**「(困難な状況を)経験している最中である」**という深い共感を伝える力にあります。

この記事を読み終える頃には、あなたも大切な誰かに「寄り添う一言」を自信を持ってかけられるようになっているはずです。


2. なぜ「experience」よりも「go through」なのか?

「大変なことを経験している」と言いたいとき、辞書を引くといくつかの単語が出てきます。しかし、それぞれが持つ「心の距離感」は全く違います。

💡 ひと目でわかる!「経験する・向き合う」比較表

表現 ニュアンス・特徴 相手に与える印象
go through 「トンネルを通り抜ける」プロセス 共感的・温かい。今まさに渦中にいる相手に最適。
experience 「事実」としての経験 客観的・硬い。ニュースや公的な報告のような響き。
suffer from 「苦痛・被害」に焦点 深刻・痛々しい。病気や強い苦痛に対して使う。
deal with 「対処・処理」する動作 実務的・能動的。問題を片付けているイメージ。

【ここがポイント!】 go through には、**「今はトンネルの中にいるけれど、いつか出口にたどり着く」**という動的なニュアンスが含まれます。だからこそ、ただの「事実」ではなく「共感」として響くのです。


3. 【実践】シーン別会話シミュレーション

日常の些細な「あるある」から、心に寄り添う場面まで、go through の使い方を見ていきましょう。

① 平凡な日常の「あるある」

シーン:テスト期間中の学生同士

  • A: Still studying? You’ve been in this cafe for five hours! (まだ勉強してるの?もう5時間もここにいるじゃない!)

  • B: Yeah, I’m going through hell right now. I have three finals this week. (そうなんだよ、今、地獄(の忙しさ)を味わってるよ。今週テストが3つもあって。)

シーン:イヤイヤ期の子供を育てる親同士

  • A: Is it the “Terrible Twos”? (もしかして「魔の2歳児(イヤイヤ期)」?)

  • B: Yes… I’m so exhausted. (そうなの…本当に疲れちゃう。)

  • A: I remember that. Every parent goes through that stage. (覚えてるよ。どの親もみんなそのステージを通るんだよね。)

② 相手を気遣い、寄り添う場面

シーン:仕事でトラブルが続き、疲れている同僚へ

  • You: I’m sorry to hear that. I know you’re going through a rough patch. Let me know if I can help. (それは大変だね。今、きつい時期を通ってるんだと思うけど、何か手伝えることがあれば言ってね。)

シーン:深い悲しみの中にいる大切な人へ

  • You: I wish I had the right words. I can’t imagine what you’re going through right now. (なんて言えばいいか分からないけれど…あなたが今どんな思いでいるか、想像もできないよ。)

4.こんな「あるある」でも使える go through

「大きな不幸」がなくても、日常の「大変な時期」は誰にでもありますよね。そんな平凡な日常での会話例です。

シーン1:テスト期間中、または資格試験前の学生同士

(カフェで勉強している友人を見かけて)

  • A: Still studying? You’ve been in this cafe for five hours! (まだ勉強してるの?もう5時間もここにいるじゃない!)

  • B: Yeah, I have three finals this week. I’m going through hell right now. (そうなんだよ、今週期末テストが3つもあって。今、地獄(のような忙しさ)を味わってるよ。)

  • A: Hang in there! You’re almost done. (頑張って!あともう少しだよ。)

ポイント: “going through hell” は「めちゃくちゃ大変!」というのを大げさに、かつユーモラスに伝える定番の日常表現です。


シーン2:イヤイヤ期の子供を育てる親同士

(公園で、子供が泣き止まなくて困っているママ友・パパ友へ)

  • A: Is it the “Terrible Twos”? (もしかして「魔の2歳児(イヤイヤ期)」?)

  • B: Yes… Everything is “No!” lately. It’s so exhausting. (そうなの…最近何でも「イヤ!」で。本当に疲れちゃう。)

  • A: I remember that. Every parent goes through that stage. You’re doing a great job. (覚えてるよ。どの親もみんなそのステージを通るんだよね。よく頑張ってるよ。)

ポイント: 「みんなが通る道(ステージ)」と言うときにも go through はよく使われます。これだけで「あなただけじゃないよ」という強い励ましになります。


シーン3:スマホの機種変や、アプリの設定に苦戦しているとき

(新しいスマホの設定が終わらず、イライラしている友人へ)

  • A: Are you still messing with your new phone? (まだ新しいスマホいじってるの?)

  • B: I’m going through all the security settings. It’s taking forever! (全てのセキュリティ設定を一つずつ確認して(通って)いるんだよ。めちゃくちゃ時間かかる!)

  • A: Technology can be so annoying sometimes. (機械って時々本当に面倒くさいよね。)

ポイント: 設定項目やチェックリストなどを「一つずつ順番にこなしていく」という、日常のちょっとした作業のプロセスにも使えます。

5.こんな場面にも使ってみよう!「go through」会話シミュレーション

日常でよくある大変な3つのシーンを想定して、使い分けを見ていきましょう。

シーン1:仕事でトラブルが続き、疲れている同僚へ

(少しお疲れ気味の同僚に、コーヒーを差し入れながら)

  • You: Hey, you look a bit tired today. Is everything okay? (お疲れ様。今日ちょっと疲れてるみたいだけど、大丈夫?)

  • Colleague: Honestly, I’ve been going through a lot with this project lately. It’s just one problem after another. (正直、最近このプロジェクトで色々あってね。次から次へと問題が起きるんだ。)

  • You: I’m sorry to hear that. I know you’re going through a rough patch. Let me know if I can help. (それは大変だね。今、きつい時期を通ってるんだと思うけど、何か手伝えることがあれば言ってね。)

ポイント: 同僚の「今の大変さ」を認め、さりげなくサポートを申し出る温かい会話になります。


シーン2:大きな決断(転職や引越しなど)を控えた友人へ

(変化の渦中で不安そうな友人と、カフェで話しているとき)

  • Friend: I’m excited about the new job, but I’m also so stressed about moving. (新しい仕事は楽しみなんだけど、引越しのストレスがすごくて。)

  • You: I totally get it. You’re going through a lot of big changes right now. (本当によくわかるよ。今、すごく大きな変化の時期を通っている最中だもんね。)

  • Friend: Exactly. I just feel a bit overwhelmed. (そうなの。ちょっといっぱいいっぱいになっちゃって。)

ポイント: 「大変だね」とだけ言うよりも、“going through big changes” と言うことで、「今はそういうプロセスの中にいるんだよ」という肯定的なニュアンスが伝わります。


シーン3:深い悲しみの中にいる大切な人へ

(家族の不幸や失恋など、言葉を選ぶのが難しい場面で)

  • Friend: I still can’t believe they’re gone. It’s so hard. (まだ信じられないの。本当に辛くて。)

  • You: I wish I had the right words. I can’t imagine what you’re going through right now. (なんて言えばいいか分からないけれど…あなたが今どんな思いでいるか、想像もできないよ。)

  • Friend: Thank you. Just having you here helps. (ありがとう。あなたがいてくれるだけで救われるよ。)

ポイント: 無理にアドバイスせず、“what you’re going through”(あなたが今通り抜けているもの)という言葉を使うことで、相手の深い感情に最大限の敬意を払うことができます。


6. 瞬発力アップ!そのまま使える「共感フレーズ」3選

会話でパッと口に出せるように、このセットで覚えておきましょう。

  1. “I know you’re going through a lot right now.” (今、本当に色々と大変な時期だって分かっているよ。)

  2. “I can’t imagine what you’re going through.” (あなたが今どれほど辛い思いをしているか、想像もできないよ。)

  3. “It’s just a rough patch you’re going through.” (今はたまたま悪い時期を通っているだけだよ。)


7. 復習クイズ:あなたならどっちを使う?

Q1. 落ち込んでいる親友に「力になりたい」と伝えたいとき 「君が今どんなに大変か分かってるよ。」 I know what you are (   ).

  • A: experiencing

  • B: going through

Q2. 上司に「システムトラブルに対応中」と報告するとき 「現在、不具合に対処しています。」 I am (   ) a server error right now.

  • A: dealing with

  • B: going through

【正解】 Q1: B / Q2: A 感情に寄り添うなら B、事務的に対処するなら A です!


8. おわりに

「経験する」を experience だけで済ませず、go through を選べるようになると、あなたの英語はぐっと人間味を帯びたものになります。

「大変なトンネルを、今まさに通り抜けているんだね」 そんな温かい視点を、ぜひ次の英会話で届けてみてください。

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