【実録】「すぐやって」を英語でどう断る?現場で1時間の要求を3時間に変えた、プロの交渉術

1. 導入:英会話の「正解」は教科書には載っていない

仕事で「今すぐやって!」「16時には終わらせて」と無理な納期を突きつけられたとき、あなたはどう答えますか?

多くの学習者が「断ったら角が立つかも」「語彙力がなくて言い返せない」と悩み、つい無理な「Yes」を飲み込んでしまいます。

しかし、安請け合いはプロとしての評価を下げるだけでなく、自分自身をすり減らす原因にもなります。

先日、ハウスクリーニングの現場で、開店準備に追われるオーナー様から「あと1時間で全部終わらせて」という厳しい要求をいただきました。

そこで私が、いかにして「相手の不快感を、後日の3時間の約束という信頼に変えたか」。

実際に現場で火花を散らした生の英語表現を通じて、相手を尊重しながら自分のペースを守る「交渉の本質」をお伝えします。


2. 現場のリアルな会話:The Negotiation

オーナー: “I’m not happy with the result. I have to leave by 4:00 PM today. Can you get all of this finished by then?” (この仕上がり、納得できないわ。今日は16時には出なきゃいけないの。それまでに全部終わる?)

私: “I understand your frustration. However, to be honest, it will take at least an hour just for the range hood. There is no way I can finish everything in 20 or 30 minutes.” (お気持ちは痛いほどわかります。ですが正直に申し上げて、レンジフードだけで1時間はかかります。20分や30分ですべてを終えるのは、物理的に不可能です。)

オーナー: “I suppose you’re right… but I’m swamped with the opening prep.” (……そうよね、わかってる。でもオープンの準備でパニックなのよ。)

私: “I don’t want to give you a rushed, halfway job. Investing 3 hours now will save you so much time later. I will do my best to take it to the limit of what’s possible. Could we schedule it for January 6th, from 1:00 PM to 4:00 PM?” (私は、急いでおざなりな仕事を提供したくありません。今ここで3時間をいただくことが、後の掃除を格段にラクにします。可能な限界まで綺麗にするため最善を尽くします。1月6日の13:00から16:00で調整させていただけませんか?

オーナー: “Okay. If it takes that much time to do it properly… January 6th, 1:00 PM to 4:00 PM, please.” (わかったわ。きちんとやるためにそれだけの時間が必要なら……1月6日の13:00から16:00でお願いします。

私:Thank you for your understanding. I will come fully prepared.” (**ご理解ありがとうございます。**万全の準備をして伺います。)


3. 【初級者向け】パニックを防ぐ!明日から使える「お守り」表現

難しい構文を組み立てようとして黙り込むのが一番の失敗です。

まずはこの「型」だけで突破しましょう。

① 相手の感情を受け止める

  • “I see your point.” (おっしゃることはわかります)

  • 潜在ニーズ: 相手は「自分の困りごとを分かってほしい」だけ。

  • この一言で、対立ではなく「共有」の土俵に乗れます。

② 物理的な限界を「時間のせい」にする

  • “Not enough time.” (時間が足りません)

  • 潜在ニーズ: 自分の能力不足ではなく「時間の不足」という客観的事実をぶつけることで、相手も「仕方ない」と思いやすくなります。

③ 具体的な日時を提案する

  • “How about [Date] at [Time]?” (〜日の〜時はどうですか?)

  • ポイント: 交渉の最後は必ず具体的な数字で着地させます。”Next time”(今度)という曖昧な言葉は避けましょう。

④ 感謝で締めくくる

  • “Thank you for your understanding.” (ご理解ありがとうございます)

  • 発音コツ: 「センキュー・フォー・ユア・アンダスタンディング」

  • ポイント: 相手がこちらの主張を受け入れてくれた際、最高の敬意を払うフレーズです。


4. 期待値の管理(Manage Expectations)の重要性

ここで一つ、絶対にやってはいけないことがあります。それは**「100%綺麗にします」と嘘をつくこと**です。

私はあえてこう言いました。 “I cannot promise 100%, but I will do my best.” (100%とは言えませんが、最善を尽くします)

検索読者の皆さんが一番恐れているのは「期待させておいて、できなかった時のクレーム」ではないでしょうか。

英語圏のビジネスでは、自分の限界をハッキリ伝えつつ、その範囲内で全力を尽くす姿勢こそが「誠実さ」と見なされます。


5. まとめ:英語は、自分の誇りを守るための武器になる

今回の交渉を経て私が感じたのは、「英語は、単なる伝達手段ではなく、自分の仕事のプライドを守るための武器だ」ということです。

もし私がここで、相手の勢いに押されて「Yes」と言い、20分で適当に汚れを拭いて帰っていたらどうなっていたでしょうか。

オーナー様は後でまたガッカリし、私はプロとしての自信を失っていたはずです。

慣れない英語だと、どうしても相手の顔色を伺ってしまいがちです。

でも、たとえ片言でも、不器用な発音でもいい。

「私はプロとして、あなたに中途半端な仕事は渡したくない」

この一線を譲らない姿勢(Assertiveness)こそが、言葉の壁を越えて相手の心に響きます。

最後にご理解をいただけた瞬間の「Thank you for your understanding.」は、私にとっても深い安堵と感謝がこもった一言になりました。

英語を学ぶ皆さんも、いつか現場で「板挟み」になったときは思い出してください。無理な要求に飲み込まれるのが優しさではありません。

「できないことは、できない。でも、あなたのために最高の仕事をしたい」

そう言い切る勇気を持つために、私たちは英語を磨いているのだと、私は信じています。

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