右肩のピリピリとした痛みがサインだった。50代男性の私が経験した帯状疱疹のリアル

50代の男性である私が、まさかあの厄介な病気にかかるとは思ってもいませんでした。

全ては、右肩に感じた**「ピリピリ、チクチク」という説明しにくい痛み**から始まりました。初めに受診した町医者では「特に異常なし」と言われ、「やっぱりそうか」と安心して帰宅したのですが、痛みは一向に治りません。

結局、症状が出てから10日後。背中にたった一つの赤い腫れが現れたとき、医師は言いました。「やっぱり出てきよったか〜、帯状疱疹だね」。

この記事では、私が体験した診断までの不安、そして背中の一点の腫れで済んだ理由、さらに回復までに約20日間かかったリアルな記録を共有します。50歳を過ぎて体に違和感を感じている方へ、私の経験が早期発見の一助になれば幸いです。


 

1. 「筋肉痛じゃない」初期の違和感

 

2020年の6月、今から5年ほど前のことです。

当時、私は特にストレスを感じていたわけでもなく、仕事(清掃業と新聞集金)は地味に忙しくはありましたが、疲労が溜まっているという自覚もありませんでした。そんなある日、右肩に今まで経験したことのない痛みが現れました。

普通の筋肉痛なら、揉んだり休んだりすれば治っていくものですが、この痛みはちょっと違ったんです。表現するなら「針で突かれているような」「皮膚の奥がピリピリとしびれるような」感覚。常に一定のレベルで続き、一向に改善する気配がありません。

数日間様子を見ても治らないので、「念のため」という気持ちで近所の町医者へ行きました。

しかし、診察の結果は「特に異常なし」。


 

2. 「やっぱり出てきよったか」医師の言葉に驚愕

 

医師から異常なしと言われ、痛み止めだけをもらって帰宅しました。やはり気のせいだったのか、と思いながら、痛みをごまかしつつ、だましだまし仕事に出続けました。清掃の仕事は地味に体を使うので、このピリピリした痛みは結構辛かったです。

ですが、10日間ほど経っても痛みは全く引かず、むしろ不安が増していくばかりでした。意を決して、もう一度同じ町医者を受診したところ、担当医が私の背中を見て一言。

やっぱり出てきよったか〜 帯状疱疹だな

私は耳を疑いました。帯状疱疹といえば、体中にブツブツと発疹が出て、激しく痛むもの、というイメージがあったからです。しかし、私にはただ背中のごく一部に、赤く腫れたような跡がたった一つあるだけでした。

背中に赤く腫れたような跡です。自分で写真を撮りました。

先生は、こう説明してくれました。

「腫れているのは背中のこの一点だけですが、ウイルスは神経に沿って動くので、右肩も痛むのでしょう。これから帯状疱疹の薬を出しますから、それを飲んで様子を見てください。」

ここで初めて、右肩のピリピリとした痛みが、皮膚に症状が出る前の神経の痛みだったのだと理解しました。すぐに5日分の薬を処方してもらい、この日から迷わず仕事を休むことにしました。


 

3. 【治療と回復】約20日間の闘病記録

 

処方された抗ウイルス薬を飲み切った後、まだ若干の痛みが残っていたので、念のため3度目の受診をしました。

医師は背中の腫れを確認し、こう言いました。

「前よりだいぶ腫れは引いているので、薬は効いています。帯状疱疹は、子どもの頃にかかった水疱瘡のウイルスが体内に潜んでいて、免疫力が落ちた時に再活性化したものです。ウイルスをやっつける薬はもう出せないので、残りの痛みは日が経てば治りますよ」

どうやら帯状疱疹の治療薬は、ウイルスの活動を抑えるために初期に集中して投与する必要があり、原則として繰り返し処方することはできないようでした。

「治る」という言葉を聞いて少し安心し、清掃の仕事に復帰しました。その後、約5日間ほどで、痛みはほとんど気にならないレベルまで引きました。

結局、右肩のピリピリとした痛みを感じ始めてから、ほぼ完全に日常生活に支障がない状態になるまで、約20日間かかりました。

この20日間、たった一つの腫れにこれだけ時間を要したのですが、私としては**「軽い方で済んだ」**と思っています。その理由が、発症した場所と、早期に診断してもらえたことでした。

4. 私の経験から学んだ大切なこと(背中でよかった理由と早期治療の重要性)

 

私の場合、背中のたった一点の腫れと、右肩のピリピリとした痛みだけで済みました。約20日間は辛かったものの、この体験を経て、いくつかの大切な教訓を得ました。

 

4-1. 発症部位が「背中」で本当に幸いだった

 

帯状疱疹は、体幹のどこにでも発症する可能性があります。インターネットで画像検索してみると分かりますが、発疹や水ぶくれが広範囲に及ぶケースは、見た目も結構痛々しいものです。

私自身、「もしこれが顔面だったらどうなっていたか」「見せたくないおしりデリケートな部位に発症していたら…」と想像すると、背中のごく一部で済んだのは、本当に運が良かったと思っています。背中だったので、人に聞かれても特に隠すことなく答えられましたし、患部を気にしすぎることもありませんでした。

もし、帯状疱疹が顔や頭部に近い神経で再活性化してしまうと、視覚や聴覚に後遺症が残るリスクもあると聞き、改めて早期治療の重要性を痛感しました。

 

4-2. 早期治療が「帯状疱疹後神経痛」を防ぐ

 

なぜ、病院で**「発疹が出たらすぐに来て」**と言われるのでしょうか。

それは、帯状疱疹のウイルスが神経を伝って皮膚に出てくるときに、その神経自体を大きく傷つけてしまうからです。この神経の傷が厄介で、皮膚の症状(発疹や水ぶくれ)が治った後も、痛みがずっと残ってしまうことがあります。これが**「帯状疱疹後神経痛」**という、非常に辛い後遺症です。

私の場合は、まだ症状が軽い段階、つまり**「皮膚に症状が出る前(右肩のピリピリ)」**から医者にかかっていたため、ウイルスの活動が本格化する前に抗ウイルス薬を投与できたのが幸いしました。結果として、神経の損傷を最小限に抑えられ、後遺症なく回復できたのだと確信しています。

 

4-3. 50歳を過ぎたら免疫力のケアと予防接種の検討を

 

なぜ50歳を過ぎると帯状疱疹が増えるのか。医師の説明や新聞広告で知ったのですが、理由はシンプルです。

子供の頃に水疱瘡にかかると、ウイルスは体内の神経節に潜伏し続けます。普段は私たちの免疫力がこのウイルスの活動を抑えてくれていますが、加齢や疲労、ストレスなどで免疫力が低下すると、ウイルスが再び目を覚まして悪さをするのです。その年齢の目安が、まさに50歳前後だということでした。

今回、私が帯状疱疹の経験者になったことで、予防接種という選択肢があることも知りました。50歳以上であれば、予防接種を受けることができます(任意接種になることが多いですが)。

「まさか自分が」と思っていましたが、病気というのは突然やってくるものです。今回の体験は、**「自分の体は自分で守る」**という意識と、免疫力を過信しないことの重要性を教えてくれました。


 

結論:50代のあなたへ。おかしいなと思ったらすぐ病院へ

 

振り返れば、右肩のピリピリとした違和感を、筋肉痛だと自己判断せず、病院を再受診して本当によかったです。

私の場合は約20日で症状が治まりましたが、発症部位や治療の遅れ方によっては、何年も痛みが続く神経痛に悩まされる人もいると聞きます。

もし、あなたや周りの方が、

  • 体の一部分にピリピリ、チクチクとした変な痛みがある
  • 普通の湿疹ではない、赤い腫れや水ぶくれがある

といった症状に気づいたら、決して自己判断で放置せず、まずは皮膚科や町医者で受診することをおすすめします。

「自分の体のためだ」と割り切って、遠慮せずに休み、治療に専念することが、結局は一番早く回復する道です。私の体験が、誰かの早期発見につながれば幸いです。

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