🚨 :緊急時にあなたの命を守る情報判断力
2024年8月の台風10号の際、SNS(X/旧Twitter)上では、過去の災害映像や無関係な増水画像をあたかも「多摩川が氾濫しそう」であるかのように見せかけるデマが拡散しました。
災害発生時は、「早く情報を知りたい」「準備しないと手遅れになる」という焦りから、信頼性の低い情報に飛びつきやすくなります。
しかし、誤った情報に基づく行動は、避難の遅れや不要な混乱を招き、あなた自身や周囲の人々の命を危険にさらす可能性があります。
この記事では、緊急時にデマに惑わされず、冷静かつ適切な行動を取るための具体的な7つのチェックリストと、すぐに頼るべき信頼性の高い情報源を解説します。
1. 災害時のデマ・偽情報が拡散する3つの背景
なぜ、最も情報が必要な時にデマが広がりやすいのでしょうか。
その背景を理解することが、情報に惑わされないための予防線になります。
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不安と焦燥感の増大: 状況が刻々と変化する災害時、人々は「早く知りたい」「対策したい」という強い不安を感じています。この心の隙間が、未確認情報に対する批判的な目を曇らせます。
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投稿者の意図: 偽の画像を投稿する人の中には、悪意だけでなく、「表示回数(インプレッション)を稼ぎたい」「注目を集めたい」といった自己顕示欲から、センセーショナルな投稿を行うケースがあります。
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情報の断片化: ネット上の情報は、文脈から切り取られた一部の画像やテキストだけが拡散され、本来の趣旨とは全く違う意味で使われてしまうことがあります。
2. 「動く前に考えよ」:デマ事例から学ぶ行動原則
デマに遭遇した際に最も重要な原則は、**「動く前に考えよ」**です。
この事例における「動く」とは、あなたがSNSで目にした未確認情報を信頼し、それに従って行動すること(拡散、避難準備、移動など)を指します。
「考える」とは、その情報がデマではないかを冷静に確認するプロセスです。
1. 「動く前」:情報を受け取った直後の心の動き
2. 「考える」:具体的な情報判断のプロセス
感情的な反応を抑制し、以下の手順で情報の価値と信頼性を分析してください。
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情報の「真偽」ではなく「出所」を疑う: 「この画像はいつ、誰が、どこで撮影したものか?」を確認する。公式な情報機関か、一般の個人アカウントかを峻別する。
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感情を排除し「ファクト(事実)」を確認する: 投稿に「氾濫しそう」とあっても、「氾濫した」という事実を公式機関(例:国土交通省の河川事務所)が発表しているかを確認する。
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行動を「公式情報」に紐づける: 「SNSの画像が怖いから動く」のではなく、「自治体から避難指示(警戒レベル4)が出たから動く」という判断軸に切り替える。
3. 【最重要】SNSの偽情報を見抜く「7つのチェックリスト」
デマ画像やテキストに遭遇したとき、冷静に立ち止まって以下の7つのステップで確認し、行動の可否を判断してください。
4. 緊急時に頼るべき信頼性の高い情報源リスト
不安を感じたら、すぐに以下の情報源を確認しましょう。
これがあなたの命綱です。
1. 公的機関の公式情報
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気象庁:台風、大雨、地震などの最新の予警報、警戒レベル。
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国土交通省(河川事務所):河川の水位情報、氾濫に関する情報。(例:多摩川氾濫のデマ対応を行った京浜河川事務所など)
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お住まいの市区町村の公式ウェブサイト・SNS:避難情報、開設された避難所の情報。
2. 大手報道機関・防災アプリ
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NHKニュース・防災アプリ:速報性と信頼性の高い情報を一元的に確認できます。
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Yahoo!防災速報:位置情報に基づいた避難情報などをプッシュ通知で受け取れます。
【重要】 混乱を避けるため、個別の公的機関に電話で問い合わせることは控え、まずは公式サイトやアプリを確認してください。
5. 行政の対応と今後の対策(社会的な教訓)
今回の台風10号のデマ拡散を受け、行政側でも対策の必要性が認識されています。
東京都の副知事が「Xの個人アカウントではなく、公式のサイトで位置情報をご確認ください」と呼びかけたように、今後は以下の取り組みが求められています。
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プラットフォーム側(X社など)の責任: 専門家からは、国や自治体がX社に対し、コンテンツのモデレーション(監視・削除)を徹底することや、写真に撮影日時や投稿者の情報を表示させる機能の導入、生成AIによる画像である旨の表示を義務付けることが提案されています。
私たち個人だけでなく、社会全体として、デマから命を守る仕組みづくりが進行していることを認識しておきましょう。
📢 まとめ:情報リテラシーが命を守る
「動く前に考えよ」— この原則を胸に、災害時の情報収集は感情ではなく理性を基準に行ってください。
デマは、人々が心配や不安を感じる時期に特に広まります。情報を受け取る際は、今回ご紹介した「7つのチェックリスト」を定期的に見返して、いざという時に備えましょう。
この記事が、あなたの防災対策と情報リテラシー向上の一助となれば幸いです。
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