プロがキッチン清掃で「絶対に見落とす」3大スポットと、コンセントクレームの全真相

「どんなに完璧に仕上げても、クレームは来る。」

これは私たちハウスクリーニング業者が直面する、避けられない現実です。

特に、作業者の疲労と時間的なプレッシャーがピークに達する「過酷な現場」では、普段絶対にしないような凡ミスを犯してしまいます。

今回は、過去一過酷だった「キッチン現場」での私の失敗を全公開します。

お客様や担当者から指摘された具体的な見落とし箇所と、二度と繰り返さないために私たちチームが得た具体的な3つの教訓を、全て共有します。

あなたの現場で「うっかり」をなくすためのチェックリストとして、ぜひ最後までお読みください。

2. 過酷な現場レポート:疲労が招いた凡ミス

 

その現場は、想像を絶する汚れでした。

  • キッチン全体: 全ての収納の底面と側面が、油とホコリが混ざったような「真っ茶色」に固着。

  • 換気扇・壁: 油汚れが天井や壁にまで飛び散り、まるで塗装のように固まっていました。

私たちは、この重度の油汚れの除去に予想以上の時間を費やし、肉体的にも精神的にも限界に近い状態でした。

その結果、作業後のチェックを「大枠がきれいになった」という満足感から完全に怠ってしまいました

そして翌日、担当者から届いたのは、私たちが犯した「致命的な見落とし」に関するクレーム報告でした。

3. クレーム発生!致命的な見落とし(コンセント周り)

 

指摘で最も衝撃的だったのは、コンセントのスイッチ周りでした。

写真で見てもお分かりの通り、スイッチのプレートのフチやボタンの溝に、まだ手垢とホコリが残っていました。

どんなにキッチン全体がピカピカになっても、モロに目に触れるスイッチが汚れていれば、「清掃してない」と判断されても仕方ありません。

また、この失敗は「細かいクレームの連鎖」を引き起こしました。

大きなミスがあると、お客様は自然と他の場所も注意深くチェックするようになります。

結果、以下の小さな見落としまで全て指摘されたのです。

4. プロが見落としがちな3大スポットと具体的な教訓

 

私たちが実際に指摘されたクレーム箇所を分析し、「疲労状態にあるとプロでも見落とす3大スポット」として共有します。

1. スポット1:スイッチ・コンセントの「枠の溝」

 

  • 見落としの理由: プレートの表面を拭くことに集中し、枠と壁の隙間(溝)や、スイッチ本体のボタンの溝を忘れてしまう。

  • 【具体的な教訓】再発防止策:

    • 道具の徹底: 最後に綿棒や竹串に洗剤をつけて細部を掻き出し、仕上げにマイクロファイバークロスでフチを拭き上げること。

    • チェックの鉄則: 部屋を離れる前に、必ずしゃがんで下から見上げ、スイッチの溝に汚れが残っていないかを確認する。

2. スポット2:床上引き出し下の黒い部分

  • 見落としの理由: 「引き出しの清掃が終わった」と区切りをつけてしまい、その下にある隠れた巾木(床と引き出しの間)まで拭き上げるのを忘れる。

  • 【具体的な教訓】再発防止策:

    • 工程の組み替え: キッチン下部の清掃は「引き出しの中→引き出しの表面→引き出し下の巾木」という一連の流れでセットにし、途中で中断しないこと。

3. スポット3:扉取っ手やパーテーション枠の「側面・裏側」

  • 見落としの理由: 正面や上面はきれいだが、指が触れることが多い取っ手の裏側、パーテーション枠のレール横など、「影になる部分」の拭き残し。

  • 【具体的な教訓】再発防止策:

    • 五感を活用: 疲労時は目視だけでなく、指先で触ってザラつきがないか確認する「触診チェック」を徹底すること。

5. 「細かいクレーム」を減らす根本対策

 

今回の現場で、私たちはプロとしての心構えを再確認しました。

🌟 教訓:他業者の汚れも自社の責任として完遂する

 

特に「モダンプレート」のような内装の最終工程で設置されるパーツには、内装屋さんが残した糊などが固着していることが多々あります。

  • 対策: 「これは前の業者の汚れだから」と妥協せず、プレートは「真っ白で当たり前」の場所として完璧を目指します。固着した糊汚れには、スクレイパーや金タワシで傷をつけないよう丁寧に擦り取り、仕上げます。(※状況に応じて担当者に交換を要求するのも一つの手段です。)

総合的な教訓は、やはり「基本の徹底」に尽きます。見える場所を完璧に仕上げることで、お客様の満足度は格段に上がり、細かい指摘を未然に防ぐことができます。

6. まとめ/次のステップ

 

今回の失敗から学んだ教訓は、テクニック論よりも「心構え」の重要性でした。過酷な現場こそ、基本動作とチェックリストが、私たちプロを守ってくれます。

この教訓をぜひ、あなたの現場での再発防止にご活用ください。

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