ハウスクリーニングで空室に入ると、つい「さあ、きれいにしよう!」と作業に集中してしまいがちです。
しかし、私の長年の経験から、作業の効率や評判を左右する最初のチェックポイントがあります。
それは、清掃の範囲外と思われがちな、トイレタンクの水漏れ確認です。
これは、実際に私が体験した、ある古い物件での**「ヒヤリ・ハット」**から学んだ教訓です。
💧 私が体験した「30分後の悲劇」
数年前、築30年を超えるマンションの空室清掃に入りました。
いつものように部屋を確認し、作業を開始する前にトイレを使いました。
水を流し、特に異音もなく「よし」と作業に戻ったんです。
約30分後、換気扇の掃除をするためにトイレの床に足を踏み入れた瞬間、**「ベチャッ」**という不快な感触が。慌てて見ると、便器の周りの床が水浸しになっていました。
「まさか、水漏れ?!」

急いで雑巾で拭き上げ、もう一度バケツで水を流して確認したところ、やはりタンクの底から水が漏れ続けているのが分かりました。
もし、この水漏れに気づかず何時間も作業を続けていたら、階下に水が染み出し、苦情が来ていたかもしれません。
自分の清掃作業とは関係のないところで、作業が完全にストップし、多大な労力と費用を要するトラブルになっていたでしょう。
この出来事以来、「トイレのタンクの水漏れは、ハウスクリーニング作業員の仕事外」という固定観念を捨て、空室に入ったらまず最初にチェックすることを徹底しています。
🔍 私が編み出した!確実な水漏れ確認手順と築古物件への警戒
特に築30年を超える物件は、ゴム部品の劣化が進んでいるため、通常の清掃作業以上に警戒が必要です。私の実践している確認手順はこちらです。
- 【入室時】床の「濡れ」と「カビ」をチェック:
- 便器の周辺に雑巾を当て、湿り気がないか確認します。
- 床と便器の接地面に黒いカビやピンク色の水アカが溜まっている場合は、前の入居者がいる頃から水が漏れ続けていた可能性が高いです。
- 【試運転】少量の水を流し、30分放置:
- 一度トイレの水を流します(大ではなく、小レバーで十分です)。
- その間は他の部屋の作業に進み、30分〜1時間後にトイレに戻って床を確認します。
- 床が濡れていれば確定です。濡れていなくても、タンク内で「シュー」という水の流れ続ける音がしていれば、フロートバルブから水が漏れているサインです。
🛠️ 水漏れ報告と作業継続のリアルな対処法
水漏れが確認できても、焦る必要はありません。
- 止水栓を閉める:
- 何よりもまず、マイナスドライバーなどを使って止水栓を締めて給水を止めます。これで、水漏れが続くことはありません。
- 管理者へ即座に報告:
- 写真付きで「トイレタンクからの水漏れを確認したため、止水栓を閉めています」と報告します。内装業者が報告していないケースもあるため、清掃業者が報告することで、管理会社に感謝されることも多いです。
- 清掃時のトイレ使用法:
- 清掃中もトイレを使いたい場合は、タンクからの水は使えませんが、バケツに水を汲んで一気に流し込めば、問題なく排水できます。私は作業効率のためにも、この方法で対応しています。
本来の仕事ではないかもしれませんが、この**「一歩先の配慮」**こそが、プロとして自分の身を守り、管理会社との長期的な信頼関係を築く鍵だと確信しています。
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