換気扇の掃除、始めようとしたらファンが外れない…!
固着してびくともしない、無理に引っ張ったらツマミだけが抜けてしまった。
賃貸物件や古い換気扇では「外せない」というトラブルは頻繁に起こります。
無理に分解しようとして軸やプラスチックの羽を破損させてしまうと、かえって高額な修理費用がかかるリスクがあります。
ご安心ください。
この記事では、ファンを一切外さず、破損させるリスクゼロで、内部の頑固な油汚れを徹底的に除去する「究極の奥の手」を、実体験に基づいてご紹介します。
必要なのは、強力な洗剤と、たったひとつの簡単な工夫です。
分解を諦めていた方も、この記事を読めば、油でベタベタだった換気扇がパッと見て綺麗になった状態を取り戻せます。もう、換気扇掃除に頭を悩ませる必要はありません。
さあ、外れない換気扇のファンを安全に、そして効果的に洗浄する方法を見ていきましょう。
「外れない」を諦めない!ファン固着時の洗浄マニュアル
ファンが固着した際の無理な分解は厳禁です。
ここでは、安全を最優先しながら最大限の洗浄効果を引き出す手順を解説します。
ステップ①:準備と最も重要な「養生」を徹底する
固着したファンを外さずに洗浄する際、最も重要になるのが「汚水」への対策、つまり養生(ようじょう)です。

強力な洗剤で溶かした油汚れは、真っ黒な汚水となって換気扇から滴り落ちます。
この汚水でコンロやキッチン全体を汚さないために、作業前に徹底した準備を行いましょう。
必要な道具リスト
この記事で紹介する洗浄法に必要なものは以下の通りです。
洗浄効果を左右する!汚水対策の「養生」術
「後で拭けばいい」という安易な考えは禁物です。溶けた油汚水は非常に粘度が高く、一度付着すると拭き取りが大変な上、キッチン全体に飛散する恐れがあります。
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コンロ全体を完全に覆う: コンロの上や五徳(ごとく)をビニールシートで隙間なく覆い、さらに養生テープなどで壁との境界も塞ぎます。
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汚水受けを分厚く設置する: 換気扇の真下、コンロの上に、新聞紙を何重にも敷き詰め、その上から要らないタオルや雑巾をさらに敷き詰めます。汚水がバケツに入らず、タオルの上で染み込むようにすることが重要です。
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壁面も保護する: 換気扇の周囲の壁にも洗剤が飛び散る可能性があるため、可能であればビニールシートや新聞紙で保護しておきましょう。
ステップ②:強アルカリ洗剤で油汚れを溶かし落とす
準備が整ったら、いよいよ油汚れとの戦いです。
洗剤は「強力アルカリ性」一択!中性洗剤は効果なし
換気扇の汚れの主成分は、調理中に発生する「油(酸性)」です。これを効率的に分解し、液体の汚水として溶かし出すためには、「強アルカリ性」の洗剤が必須です。
家庭用の食器用洗剤や中性洗剤では油膜を分解する力が弱く、今回の「外さずに溶かし落とす」方法では効果が期待できません。
🧪 強力洗剤を選ぶ際のポイントと市販品の例
今回の方法で効果を期待できるのは、換気扇・レンジフード専用として販売されている、高濃度でアルカリ性の製品です。
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pH値に注目: パッケージに記載されている「液性:アルカリ性」と書かれた製品を選びましょう。
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泡 or 粘性タイプが有利: 垂直面でも垂れ落ちにくく、洗剤が汚れに密着する時間が長くなるため、泡立ちが良いフォームタイプや、粘性の高い液体を選ぶと効果的です。
✅ 市販品で検討すべき洗剤の例(いずれも液性が「アルカリ性」のもの):
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リンレイ ウルトラハードクリーナー 油汚れ用
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アズマジック 油汚れ洗剤
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茂木和哉 油汚れ用洗剤 なまはげ
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ダスキン 油汚れ用洗剤
【重要】プラスチック製品への注意: 強アルカリ洗剤を長時間放置すると、素材を傷めたり、変色の原因になったりする可能性があります。そのため、「噴霧して10分〜15分で汚水が垂れ止まったら終了」という手順を厳守し、長時間放置は絶対に避けてください。また、使用前に必ず製品の注意書き(特にアルミ製品への使用可否など)を確認してください。
噴霧して10分放置!「垂れ止まり」が合図
ファンを外せない場合、「漬け置き」はできません。そこで、「洗剤を大量に塗布して、ファンに密着させる」ことで、擬似的に漬け置き状態を作ります。

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洗剤を噴霧する: スプレー容器に強アルカリ洗剤を入れ、換気扇のファン(羽)全体に、したたり落ちるほどたっぷりと噴霧します。特に汚れがひどい場所、ファンの奥の軸周りにも届くように噴霧しましょう。
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汚水が垂れ止まるまで放置: 洗剤が油を溶かし始め、黒い汚水が養生したシートに垂れてきます。この汚水のポタポタが収まり、ほぼ垂れてこなくなるまで放置してください。目安は10分~15分程度です。
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(任意)追加噴霧: 10分経ってもファン全体が茶色くべたついているようなら、追加で洗剤を噴霧し、さらに5分ほど放置すると洗浄効果が高まります。
ステップ③:仕上げの二段階洗浄と物理的アプローチ
強アルカリ洗剤で大部分の油が溶け落ちた後、仕上げの作業に移ります。
二段階洗浄:台所用洗剤を混ぜた水で流す
強アルカリ洗剤の噴霧が終わったら、以下の手順を行います。
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台所用洗剤+水の準備: 別のスプレー容器に、水と少量の台所用洗剤(中性洗剤)を混ぜた洗浄液を用意します。
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二度目の噴霧と放置: この洗浄液を、再びファン全体にたっぷりと噴霧します。これは、残った油汚れをさらに緩めることと、強力なアルカリ洗剤成分を洗い流す(中和に近い)目的があります。
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垂れ止まるまで放置: 再び汚水が垂れてこなくなるまで数分放置し、溶け残った汚れを流し落とします。
ドライバー活用術:残った油を「突く」
ファンの羽の付け根や溝には、頑固な油が残りがちです。ここで、先ほど用意したマイナスドライバーの出番です。
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油の柔らかさを確認: 換気扇の下から覗き込み、汚れが硬く固まっていないか確認してください。洗剤が効いていれば、油はヌルヌルと柔らかくなっているはずです。
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優しく汚れを突く: マイナスドライバーの先端に布(雑巾など)を巻き付け、ファンを傷つけないように注意しながら、残った油をピンポイントで下から優しく押し出すように突きます。柔らかくなった油は、力を入れなくても簡単に剥がれ落ちるはずです。
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拭き取れる部分は拭き取る: ファンの一番手前や、手の届く範囲の羽は、硬く絞った布や雑巾で優しく拭き取りましょう。
ステップ④:乾燥と仕上がり確認
洗浄作業が完了したら、ファンを回して乾燥させます。

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外側を拭き取る: 換気扇の外枠や、洗剤が飛び散った可能性がある周辺部分を、水拭き、乾拭きでしっかりと拭き取ります。
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ファンを回して乾燥: 換気扇のスイッチを入れ、「弱」で1時間ほどファンを回します。これにより、ファンに付着した水分が飛び、乾燥させることができます。水分が残っていると再びホコリが付着しやすくなるため、しっかり乾燥させましょう。
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仕上がり確認: 乾燥後、下からファンを覗いてみてください。完全に分解洗浄した状態とまではいきませんが、油でベタついていた頃と比べると、格段に白く、清潔に見える状態になっているはずです。異音もなくファンがスムーズに回れば、作業は成功です。
【Q&A】外れないファン掃除の疑問を解決
Q1: プラスチックファンを傷つけませんか?
A: 換気扇専用の強アルカリ洗剤であれば、短時間の放置(10〜15分程度)でプラスチックが変質することはありません。長時間放置は避けましょう。物理除去を行う際も、必ず布を巻き付け、ファンを傷つけないよう優しく行ってください。
Q2: 外れないファンを無理に外す方法はありますか?
A: 基本的には非推奨です。軸の根元に浸透性の高い潤滑油(CRCなど)を少量差し込み、時間をおいてから再びツマミを回してみるという方法もありますが、無理に力を加えて軸を曲げたりすると、ファンユニット全体の交換が必要になるため、自信がない場合はこの「外さずに洗浄する」方法を優先するか、プロのクリーニング業者に依頼するのが最も安全です。
Q3: どの程度きれいになりますか?
A: 分解し、漬け置きした際の100%の洗浄効果には劣りますが、本洗浄法でも約70~80%程度の油汚れを除去することが可能です。特にパッと見た時の油のギトギト感は解消され、ファンの回転効率(吸引力)の回復にもつながります。「外れない」という制限がある中では、非常に高い効果が得られる方法です。
結びに:外れないファンも、この方法で必ず乗り越えられる!
換気扇の掃除は、誰もが「面倒だ」「大変だ」と感じる大仕事です。
その上、ファンが固着して外れない時のあの途方に暮れる気持ちは、私自身も身をもって経験したからこそ、痛いほど理解できます。
「外れないなら、もう汚いまま諦めるしかないのか…」
私も一時はそう思いました。
しかし、無理に外して設備を壊すリスクを避け、なんとか現状で食い止めようと試行錯誤した結果、この「強アルカリ噴霧+徹底養生」という方法に行き着きました。
完全な分解洗浄には及ばなくても、この方法でファンのギトギト感は解消され、視覚的な清潔感と換気効率は確実に改善します。
この記事の手順を試して、あなたが無事に換気扇の掃除をやり遂げ、「あぁ、やってよかった!」と心から思えることを願っています。
あなたのキッチンが、安全かつ清潔で気持ちの良い空間になるよう、心から応援しています。
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