はじめに:プロの清掃業者が直面した「ヤニ汚れ」の真実
どうも!
ハウスクリーニングの作業に携わってから30年以上経ちました。
ハウスクリーニングを辞めたい!30年続いた自分が継続の秘訣をお伝えします
ところで、もしあなたがハウスクリーニング作業者なら、ヘビースモーカーが住んでいた空き部屋清掃に苦労しませんか?
こうしたら劇的に作業時短ができました!
と言いたいところですが、経験上、ヤニ部屋に関しては作業時短は諦めています。
その方が疲れないので…
さて、この記事の目的は…
さて、ワンルームの賃貸マンションを管理している会社から特殊な作業を依頼されることがあります。
それは、内装作業でクロス張り替えのためにクロスをめくった後に、薄いボード紙が見えるのですが、あまりにもヤニがひどい場合にはそこから匂うこともあり、そのヤニを除去してほしいという仕事依頼です。
その後、内装屋さんが入ってクロスを貼ります。
もちろん、この段階で備え付いている木製のドアやクローゼットのヤニも除去します。匂いの元だからです。まあそれはプロであれば難しくないのですが…
これは今日作業した部屋です。まあよくあるワンルームの光景。

クロスを破いた後ですが、結構ヤニ臭い!
このクロスのヤニの匂いをなんとかするのが仕事です。
そして注意が必要な点もあります。以前に水分を使いすぎて素材が膨張してポケットのように膨れ上がってしまったんです。
室内ドアのヤニ汚れ→洗剤水たっぷりで拭くのは素材が膨張するのでNG
あまりこのような仕事依頼はないかもしれません。
ちなみにうちの会社でも、私だけですね。この類の仕事は。
結構きつい洗剤を噴霧しまくるのであまりやりたくないですね。臭いし。
では、本題。
【現場報告】クロスを剥がした後の衝撃的な光景
ヤニが染み込んだ薄いボード紙の光景です。
内装屋さんなら、毎日見る光景でしょう。
見た目ではよくわからないと思いますが、思っている以上に匂いが残るんですよね。
なぜか?
それはタールやニコチンが素材の奥まで容赦なく浸透するからです。
では、どのように薄い壁紙のヤニを清掃するのか
ボードの薄い壁紙のヤニ清掃:清掃の具体的な手法
ヤニの匂いは、タバコに含まれるタールやニコチンが壁紙の奥まで染み込んでしまうため、単に表面を拭くだけではなかなか取れません。
壁紙を剥がしても、ボードの表面の薄い紙に匂いの原因物質が残ってしまうことがあります。
では、どうする?
業務用の消臭剤をたっぷり壁紙全体に噴霧します。
天井部分の上はやりにくですが、スプレーでできるだけ均一に噴霧。
天井全体に噴霧した時点で匂いがなんとなく引いてきた気がします。
それは気がする、だけでなく事実です。
なぜか?
天井は、温かいタバコの煙が上昇して滞留するため、ヤニが特にこびりつきやすい場所その結果、目に見える汚れだけでなく、強い匂いの原因にもなってしまうから…
天井全体に洗剤を噴霧して清掃することで、表面のヤニを分解し、匂いをかなり抑えられたのでしょう。
しかし、ヤニは素材の奥深くまで浸透する性質があるため、なかなか厄介。
そして次にどうするか、
それは、漂白剤を薄めた溶液を全体にたっぷり塗るように塗布する。
するとどうなるか?
壁紙に鼻をつけて嗅いでも匂いはほぼなくなりました。
なぜか?
消臭剤でまず匂いの分子を分解し、その後、漂白剤でヤニの色素と匂いの元を酸化分解する効果があるからです。
なので、漂白剤が欠かせない。
繰り返しますが、ヤニの色素と匂いの元を分解できるからです。
これで薄いボード紙の匂いはほぼなくすことができます。
ところが匂いに関しては、どうしても限界があるので、それを担当者に伝えて理解を得る必要があるのです。
それをこれからお話します。
プロでもお手上げ!「清掃ではどうにもならない」ヤニ臭の場所
例えば、次のような箇所。
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- 電気スイッチ・コンセントカバーの内部: プラスチック素材に染み付いた匂いは、部品交換が必要なケースが多いです。匂いをなくしたいのであれば。そしてコンセントカバーを外すと隙間ができるので、そこを通って内部のヤニの匂いがプーんと… どうしようもないですね。これは。

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- 壁掛けエアコンの内部: 熱交換器やドレンパンに溜まった油分とホコリの混合物が、水漏れや悪臭の原因になります。プロが高圧洗浄しても見えないところの汚れの100%除去は無理ですね。以外とそれが匂いの原因だったりします。
関連して以前にこんな体験をしました。
このような場合は潔くコンタクトを取るのが最善です。
(大家さん・管理会社)への報告の重要性
どのように報告することができるか?
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- 単に清掃しただけでなく、「清掃の範囲では解決できない問題」があることを伝える
- 例えば、「スイッチのカバーを外したところ、奥から強いヤニ臭がしました。部品交換を推奨します」といった具体的な報告例を提示。
こうしたことを、率直かつ親切に伝えることより、清掃業者としての信頼性を高めることにもつながります。
まとめ:今回の仕事から学んだ「ヤニ清掃」の教訓
わたしたち清掃業者の仕事は綺麗にすることです。
見た目が変わるので達成感があります。
しかし、臭いになると、見た目ではわからず、完全に除去できない難しさがあります。
なので、清掃の限界を見極め、きちんと伝えることが重要です。実際に私が仕事している担当者もそれを望んでいます。
ボード紙の薄い紙のヤニ除去に関しては、消臭剤と漂白剤の組み合わせが今のところベストだと感じています。
ケチらずたっぷり噴霧してくださいね。
今日の仕事体験レポートは以上です。
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