「汚れ」と「腐食」の見分け方:キッチン清掃で損をしないための事前確認10選

【クレーム激減】プロが教える!ハウスクリーニング「キッチン作業前」チェックリスト

「作業が終わった後、『これは汚れが落ちていない!』とクレームになった経験はありませんか?

実はその『汚れ』、擦っても落ちない『腐食』や『経年劣化』かもしれません。

多くのハウスクリーニング業者は、汚れと劣化の見極めに苦労し、無理な清掃で逆に傷をつけたり、時間と洗剤をムダにしたりしています。

本記事では、プロの現場経験に基づき、特に判断が難しいキッチンの『汚れ』と『腐食』を瞬時に見分けるチェックリスト10選を徹底解説します。清掃で損をせず、無用なクレームを未然に防ぎたい方は、ぜひ最後までご覧ください。」


1. なぜ事前チェックが【クレーム激減】に繋がるのか?

 

ハウスクリーニングにおいて、キッチンは最もクレームが発生しやすい場所の一つです。

その最大の原因は、私たち作業者とお客様(または管理会社)との間で、「どこまでが清掃で落ちる汚れで、どこからが修繕が必要な不具合(経年劣化・腐食)なのか」という認識のズレが生じるからです。

事前に不具合を発見し、担当者へ報告することは、以下の大きなメリットをもたらします。

  • 無駄な清掃時間の削減: 落ちないものを無理に擦るムダな労力と時間のロスを防げます。

  • 新たな損傷の防止: 腐食部分を強く擦ることで、かえって傷や剥げを広げるリスクを回避できます。

  • 信頼性の向上: 報告の義務がない部分にまで目を配ることで、「プロとして丁寧に仕事をしている」という評価に繋がり、担当者との信頼関係が構築されます。

2. 【重要】清掃で落ちない!「汚れ」と「経年劣化・腐食」の見分け方

 

最も重要で、他の記事との差別化を図るポイントです。現場で瞬時に判断するために、以下の基準を頭に入れておきましょう。

状態 想定される原因 清掃での対応可否 判定基準(見分け方)
茶色いシミ、黒ずみ 油汚れ、水垢、カビ ⭕️ 洗剤をかけて揉むと色が薄くなる、または溶けていく。
青緑色の斑点 銅の緑青(ろくしょう)、石鹸カス ⭕️/△ クエン酸や酸性洗剤で部分的に改善が見られる。
金属表面のザラつき、穴、凹凸 金属の腐食(サビ) **洗剤をかけても色や状態に変化がない。**表面のメッキや塗装が剥がれ、地金が出ている状態。
コンロ天板のヒビ、変色(白く濁る) 熱による変質 ガラスやホーローに物理的なヒビが入っている、または素材そのものの色が変わっている。
ゴム、プラスチックの変色・硬化 経年劣化 ゴムが伸びきっている、触るとボロボロ崩れる、カチカチに硬化している。

【現場での鉄則】

  1. まず、中性洗剤やアルカリ性洗剤を少量塗布してみる。

  2. 数分放置後、色が薄くならない、または全く変化がない場合、それは清掃で解決できない「腐食」「変質」の可能性が極めて高いと判断し、それ以上の清掃を中止してください。

3. プロ直伝!キッチン作業前チェックリスト10選(画像付き)

 

次に、過去の現場経験からクレームやトラブルになりやすかった、具体的な「不具合箇所」を10点リストアップします。

清掃作業に入る前に、スマホで写真を撮りながらチェックしましょう。

3-1. 排水口周り(腐食トラブルの多発地帯)

 

No. チェックポイント 確認すべき不具合
1 排水口の金属部品 腐食による黒い剥げ、ザラつき。(特にオーバーフロー管やトラップのフタ)
2 排水フタのサイズ フタが合わず、水が流れ切らずに溜まる状態。修繕が必要。
3 排水口周りのコーキング コーキング材のカビ、剥がれ、切れ

3-2. コンロ・換気扇周り(熱・油による劣化)

 

No. チェックポイント 確認すべき不具合
4 ガスコンロ天板(五徳下) 腐食による変色、塗装剥げ。(特にステンレス製やホーロー製の場合)
5 レンジフードフィルター 塗装の剥げ(強い洗剤で洗うと悪化する可能性あり)。
6 換気扇の動作 スイッチを入れて異音がないか、ファンが回るか

3-3. キャビネット・その他

 

No. チェックポイント 確認すべき不具合
7 流し台下の木材 排水管が通る箇所の木材の外れや、水漏れによる木材のふやけ
8 引き出し・扉の縁ゴム 衝撃吸収用のゴムの伸び、千切れ
9 照明・スイッチ 蛍光灯の紐切れ、スイッチを入れても電気がつかない
10 水栓金具 水漏れ(ポタポタ落ちる)、レバーの緩みメッキの剥げ

4. 報告の鉄則:いつ、何を、どう伝えるか?

 

不具合を見つけた後の対応こそが、あなたのプロ意識と信頼性を最も高めるポイントです。単に「壊れています」と伝えるだけでなく、**「清掃では対応できない理由」**を明確に伝えましょう。

4-1. 報告のタイミングとツール

 

  • タイミング: 清掃作業を始める直前、または不具合に気づいた直後に報告します。作業完了後に「汚れが落ちていない」と言われる前に、先に「これは不具合です」と線引きすることが重要です。

  • ツール: 口頭ではなく、必ず**写真付きでテキスト(メールやチャット)**で報告履歴を残してください。

4-2. 報告の具体的な内容(テンプレート)

 

報告は、「不具合箇所」「現在の状態」「清掃での対応可否」の3点を明確に伝えることが鉄則です。

項目 報告する内容
箇所 例:キッチン排水口の金属製フタ
状態 例:表面のメッキが剥がれ、地金が露出しており、サビ(腐食)が進行しています。
清掃可否 例:これは汚れではなく素材自体の劣化のため、清掃では改善できません。修繕・交換をご検討ください。
写真 必ず不具合箇所全体と、腐食・剥げのアップ写真を添付。

【現場で使える報告テンプレート】

お疲れ様です。〇〇号室キッチンの事前確認報告です。

以下の箇所で清掃では対応できない不具合を確認しました。

【不具合箇所】 レンジフードフィルター(黒) 【状態】 塗装が経年劣化により部分的に剥げています。(写真参照) 【対応】 洗浄でさらに剥げが進む可能性があるため、これ以上の清掃は控え、修繕担当者様にご確認いただくことを推奨いたします。

4-3. 【差別化ポイント】フィルター塗装剥げへの応急処置ノウハウ

 

チェックリストの5番で触れたレンジフードフィルターの「塗装の剥げ」は、特にクレームになりやすい箇所です。担当者から「なんとかしてほしい」と依頼された場合、以下の手順で簡易的な応急処置が可能です。

  1. 脱脂・乾燥: 洗浄後、完全に油分を落とし、乾燥させます。

  2. マスキング: 塗装したくない金属以外の部分をマスキングテープで覆います。

  3. スプレー塗布: 100円ショップでも購入可能な耐熱性の黒スプレーを、ノズルから離して薄く均一に吹き付けます。

  4. 乾燥: 完全に乾燥するまで放置します。

【注意】 この処置は応急的なものであり、塗装の耐久性は純正品に劣ります。あくまで担当者の指示があった場合のみ対応しましょう。


5. まとめ:クレームを「信頼」に変えるプロの意識

 

この記事では、「汚れ」と「腐食」の見分け方から、現場で役立つ具体的なチェックリスト10選、そして不具合発見後の報告テンプレートまでを解説しました。

  • 「落ちない」と判断することは、決して作業放棄ではありません。それは、「清掃の限界」と「修繕の必要性」を科学的に見極めるプロのスキルです。

  • 事前に不具合を丁寧に報告することで、あなたは単なる清掃作業者から、建物の状態を管理する協力者へと位置づけが向上します。

一生懸命やった結果であれば、落ちないものに対して気に病む必要はありません。

このマニュアルを活用し、クレームをゼロにするだけでなく、担当者からの揺るぎない信頼を勝ち取り、気持ちよく仕事ができる環境を築き上げてください。

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