📰 いまだ無料継続!新聞の古紙回収袋はなぜタダ? 有料化しない販売店の「ブーイング回避」戦略

昨年、スーパーやコンビニのレジ袋が有料化されたとき、「次は新聞の古紙回収袋も有料になるのでは?」と予想した方は多いでしょう。

実際、私も新聞集金スタッフとして、その流れは避けられないと思っていました。

しかし、あれから時が経った今も、私の担当する朝日新聞販売店では、古紙袋を無料で配布し続けています。

なぜ、プラスチック削減の流れやコスト増にもかかわらず、新聞販売店はいまだに「古紙袋はタダ」を貫いているのでしょうか。

その背景には、「たった数円の有料化」が、長年の顧客を失う「ブーイング」につながりかねないという、業界特有の深い事情があります。

本記事では、新聞販売店の現場で働くスタッフの視点から、古紙回収袋が無料であり続ける本当の理由と、顧客の離脱を防ぐための「ブーイング回避」戦略について、包み隠さず解説します。


1. なぜ古紙袋は有料化しにくいのか?最大の障壁は「顧客のブーイング」

レジ袋が有料化されたとき、私たちは「時代の流れだから仕方ない」と受け入れました。では、なぜ新聞の古紙袋は同じように有料化できないのでしょうか。

答えは、顧客にとっての「古紙袋の位置づけ」が、スーパーのレジ袋とは根本的に異なるからです。

スーパーでレジ袋は「商品を持ち帰るためのオプション」ですが、新聞の古紙袋は、長年の購読サービスの中で「無料でついてくるもの」「回収サービスの一部」として認識されています。

そのため、たった数円とはいえ、今まで無料だったものに料金を課すと、読者は以下のように感じてしまうのです。

😡 「新聞代を毎月払っているのに、袋まで有料にするのか。」 😡 「無料だったものが有料になるのは、サービス改悪だ。」

この「不利益感」が、長年続けている購読の解約、つまり「ブーイングと顧客離れ」に直結するリスクを、販売店は最も恐れています。

特に高齢の顧客にとっては、長年の慣習を変えることへの抵抗感が非常に強く、これが有料化への最大の障壁となっています。

2. コスト vs. 顧客維持:古紙は「有価物」であるという事実

もちろん、古紙袋の配布にはコストがかかります。

しかし、販売店の経営を考える上で、このコストは別の要素と比較検討されます。

それが、「古紙の市場価格」です。

新聞の古紙は、トイレットペーパーなどの再生紙の原料として利用されるため、販売店にとっては回収することで収益につながる「有価物(価値のあるもの)」です。

  • 古紙袋のコスト(マイナス)

  • 古紙回収による収益(プラス)

この収益が、袋のコストを上回っている限り、「古紙袋の無料配布は、円滑な回収を促すための必要経費」として処理されます。

古紙の価格が安定しているうちは、あえて顧客の反発を招く有料化に踏み切る必要はない、というのが現場の判断なのです。

もし有料化に踏み切って顧客が減れば、新聞収益と古紙収益の両方が減ってしまい、結果的に大損につながりかねません。

顧客維持のために、無料という形でコストを吸収していると言えるでしょう。

3. 集金スタッフとして感じる「無料継続」のメリット

有料化を心配していた私自身ですが、無料継続の現状を見て、集金スタッフとして感じるメリットも多くあります。

✅ メリット1:集金時の会話が円滑になる

古紙袋の代金として数円の端数が発生すると、「5円玉がなくて…」といったやり取りや、有料化についての説明が必要になり、集金の際のわずかな会話がギクシャクする可能性があります。

無料のままなら、余計な説明や金銭のやり取りが増えるストレスがありません。

✅ メリット2:顧客満足度と利便性の維持

高齢のお客様の中には、古紙袋をゴミ捨てだけでなく、ハウスクリーニングの仕事のゴミ入れのように、様々な用途に便利に使っている方が多くいます。

「いつも助かるよ」の一言は、無料継続による顧客満足度の高さを表しています。


4. 【読者へ】古紙袋が無料でも有料でも得をする「古新聞の活用術」

古紙袋が無料であり続けるのはありがたいことですが、有料化の流れが完全に消えたわけではありません。

また、大量にもらいすぎて無駄にしてしまうのももったいない話です。

ここでは、古紙袋の有無にかかわらず、読者の皆さんが日常生活で新聞を賢く活用できる具体的なアイデアをご紹介します。

活用術1:生ゴミ入れのミニゴミ箱として活用

これが最もポピュラーで便利な活用法です。新聞紙1枚(見開き)を用意し、四隅を内側に折って四角い箱型にします。

生ゴミや、納豆・野菜のクズなど、水分や匂いが出るものを一時的に入れ、口を折りたたんで縛れば、そのまま古紙回収に出すか、可燃ゴミとして処分できます。水気を吸い取ってくれるため、衛生的です。

活用術2:梱包・緩衝材として活用

食器や割れ物を包む、ネット通販のダンボール箱の隙間を埋める緩衝材として最適です。

靴の中に丸めた新聞紙を入れると、湿気を吸い取り、形を保つのに役立ちます。

活用術3:緊急時の断熱材として活用

災害時や冬場の寒さ対策にも使えます。

窓に新聞紙を貼ったり、段ボール箱の底に敷き詰めたりすることで、簡易的な断熱材や防寒対策として効果を発揮します。


5. 【Q&A】販売店スタッフに聞く、古紙袋と購読に関する素朴な疑問

古紙袋の有料化・無料化に関して、読者の方々が疑問に感じやすいポイントについて、現場スタッフの視点からお答えします。

Q. 「古紙袋を毎回たくさんもらう人」は販売店にとって迷惑ですか。
A. 節度ある量であれば問題ありません。販売店は、古紙回収を円滑に進めるため、袋は必要な「ツール」だと考えています。ただし、回収に不要なほど大量にストックしようとするのは、コストがかかるため控えていただけると助かります。
Q. 古紙袋が有料になった場合、代金はどのように支払うことになりますか。
A. 新聞代と一緒に請求されるケースが多いでしょう。販売所によっては「古紙回収袋10枚〇〇円(税込)を有料にて販売いたします。代金は新聞購読料と合わせて頂戴いたします。」という形を取っています。集金スタッフが直接受け取るか、クレジット払いの場合は月々の請求に上乗せされます。
Q. 古紙袋は、新聞以外のチラシや雑誌を入れても大丈夫ですか。
A. 基本的には問題ありません。販売店が行う古紙回収では、新聞だけでなくチラシや雑誌もまとめて回収対象としていることが一般的です。ただし、ダンボールや紙パックは分別が異なる場合があるため、お住まいの地域の回収ルールを再度確認してください。

最終結論:無料継続の裏側にある「読者への配慮」

「いまだ無料継続」の背景には、プラスチック削減という大義よりも、「長年の読者であるあなたを失いたくない」という販売店の切実な思いがあります。

この無料サービスは、単なるコストではなく、販売店があなたに提供し続けている「顧客維持のための付加価値」です。

ぜひ、これからも新聞のある生活を快適に送るため、古紙袋を有効に活用してください。



コメント

タイトルとURLをコピーしました